憤怒レポート第5弾 役人天国・地方公務員は「管理職だらけ」 課長補佐以上がウヨウヨ!

2012年01月27日(金) フライデー

フライデー経済の死角

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「なぜこれだけ上位級職員が増えたかというと、千葉県の特殊性として急速な人口増加が背景にあります。豊富な職務経験を有する中堅職員を主幹(6級)として積極的に活用してきたのです。上位級職員構成比が高い状況にあることは、問題点として意識しています。対応策として'10年度から千葉県行政改革計画を実行しています。'12年度までに全体の職員数、総人件費の抑制を推進しています。その過程で、管理職員数の削減、上位級職員の比率の抑制についても進めています」

 廃止予定の「わたり」の金額について、同課の提示した対象者数と手当額をもとに本誌は概算を出してみた。すると、その額は月に約3800万円となった。

 千葉県は思いの外、オープンだった。しかし、ムダに払われた裏手当の額が年間にして約4億円にもなるというのは驚きだ。公務員問題に詳しい、ジャーナリストの北沢栄氏が言う。

「公務員世界の古い体質は、実は、国家公務員以上に地方公務員に根強く残っている。国家公務員は批判にさらされ、最近、遅ればせながら、やや改善がみられる面もある。しかし、地方は地方自治体の自主性に任せられている面が強いので、改善が遅れているのです」

 どうしたら地方公務員の問題を解決できるのか。前出・中野氏はこう話す。

「地方自治体によって、課長と課長補佐の間に、参事とか参与とか室長、企画官、課長級などといった新たな名前の役職を作り出している。そういう役職の人の多くが、組織をダメにする。地方自治体にとって今一番必要なことは、人を改造することではなく、制度そのものの変革です。例えば抜擢人事で、できる人間をどんどん上げていくことです。そうしないと組織が活性化しません」

 公務員の人件費の問題は何十年も前から指摘されながら、いまだに抜本的なメスが入っていない。このままでは早晩、日本がギリシャ化するのは目に見えている。

「フライデー」2012年2月3日号より

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