大阪市地下鉄:来春の「値下げ」断念 民営化見通せず
毎日新聞 2013年09月28日 07時43分(最終更新 09月28日 10時14分)
大阪市交通局は27日、市営地下鉄の初乗り運賃(200円)を来年4月に10円値下げする計画を断念する方針を明らかにした。民営化による経費削減などを見込んでいたが、市議会で条例案が可決する見通しが立たず、来春の実現は困難と判断した。値下げの時期は引き続き検討する。
地下鉄の運賃値下げは橋下徹市長の公約。交通局は昨年12月、消費増税が予定されている来年4月に初乗りを190円に値下げする方針を発表。民営化を見据えた人員削減効果などで減収分を埋め合わせる計画だった。
藤本昌信局長は27日の会議で、民営化のめどが立たず、計画通りの人員削減が困難▽南海トラフ巨大地震の被害想定などを踏まえ、防災対策の再検討が必要−−などと述べた。
交通局によると、来年4月に消費税が増税された場合、3キロ以内の初乗り運賃は据え置くが、3キロを超す各区間はそれぞれ10円ずつ値上げし、240〜370円とする。市バス運賃は、全区間を一律10円値上げする方針。【村上尊一】