国連安保理:シリア化学兵器全廃決議…全会一致で

毎日新聞 2013年09月28日 11時33分(最終更新 09月28日 12時23分)

シリア化学兵器の廃棄スケジュール
シリア化学兵器の廃棄スケジュール

 【ニューヨーク草野和彦、ハーグ斎藤義彦】国連安全保障理事会は27日夜(日本時間28日午前)、シリア政府に対して化学兵器の完全廃棄を義務づける決議案を全会一致で採択した。一時は米国などの軍事介入も懸念されたシリア化学兵器問題は、安保理決議が付与した強制力のもと、国際管理による廃棄プロセスが本格始動することになった。

 決議は「シリアでの化学兵器使用は国際の平和と安定への脅威」と明記。化学兵器禁止機関(OPCW、本部オランダ・ハーグ)が今回の決議に先立ち決定した、10月1日の査察開始と30日以内の終了や、来年前半までの化学兵器全廃が柱の作業計画に、シリア政府が従うことを義務化した。

 計画の履行違反や、化学兵器の使用・無許可移転などがあった場合は、国連憲章7章(平和への脅威)に基づく強制措置を科すことを決めた。ただ、経済制裁など具体的措置の実施には新決議が必要となる。

 また、アサド政権と反体制派の代表が参加する和平会議を早期に開催し、双方の同意による移行政府樹立を要請。内戦終結に向けた政治対応も盛り込んだ。

 潘基文(バンキムン)事務総長は採択後、和平会議の11月中旬開催の意向を表明。シリア内戦では11万人超が死亡、200万人超が難民化し、和平実現への取り組みが急務だ。

 決議採択には、シリア化学兵器廃棄に合意していた米露の外相が出席した。ケリー米国務長官は採択後「法的強制力がある決議だ」と主張。ラブロフ露外相も決議違反時は「安保理は7章による措置をとる用意がある」としつつ、強制措置は自動的ではないと強調した。シリアのジャファリ国連大使は決議を評価、和平会議開催を支持した。

 一方、OPCWは27日招集した執行理事会で、シリア化学兵器の廃棄・撤去決議に全会一致で合意した。廃棄の具体策や日程は11月15日までに決める。決議は廃棄を支える財政体制の緊急構築も呼びかけており、今後、各加盟国の具体的協力策が焦点になる。

 決議によると決議の実施遅れや不履行の場合、24時間以内に理事会を開き、国連安保理への付託を含めた対応を検討する。

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