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小宮一慶の「スイスイわかる経済!“数字力”トレーニング」

給与が増えない中で消費税率が上がれば、景気は確実に失速する

 今月12日、安倍首相は消費税率について、来年4月に予定通り5%から8%に引き上げる方針を固めました。10月1日に発表される日銀の企業短期経済観測調査(短観)の内容をみた上で、同日中にも正式発表します。
 消費税増税を行うと「景気が腰折れするのではないか」という懸念が取り沙汰されていますが、この状況では私はほぼ確実に景気は減速すると考えています。景気後退に対処するために、景気対策を行うとのことですが、財政を健全化させるための消費税上げで、さらに景気対策でお金を使うというのはおかしなことです。今回は、消費税増税の決定までの経緯と増税後の影響、日本の財政について、私の考えを述べたいと思います。

政府が10月1日に消費税増税を正式発表したい理由

 今月12日、安倍首相は消費税率について、来年4月に予定通り5%から8%に引き上げる方針を固めました。正式発表は10月1日になりますが、この日を選んだのは企業の景況感を示す9月調査時点での最新の日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)と、最新の完全失業率などの指標を示す8月調査の雇用統計の発表があるからです。

 日銀短観について、簡単に説明しておきます。短観というのは、日銀が3カ月に1度発表している統計調査のことです。全国約1万社の企業を対象に、業況や雇用、在庫、設備投資、商品価格などを調査して、業種ごとや企業規模ごとにまとめられるのです。

 この調査は、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた数字で表されます。すべての企業が「良い」と答えればプラス100ですし、半分の企業が「良い」と答えて、半分の企業が「悪い」と答えれば、ゼロになります。このような方法で算出される指標をDI(Diffusion Index)と呼びます。

 もう少し具体的に説明しますと、この調査は、「3カ月前と比べて、今の状況はどうですか?」という聞き方をする「最近」の数字と、「3カ月後の見通しはどうですか?」という聞き方をする「先行き」の数字があります。

日銀短観の発表と同日を狙って増税を表明

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