新潟・柏崎刈羽原発:年度内の再稼働、難しく 規制委、断層調査を最優先
毎日新聞 2013年09月27日 東京夕刊
東京電力が柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けて、原子力規制委員会に安全審査の申請書を提出し、近く審査が始まる見通しとなった。だが、柏崎刈羽の原子炉建屋直下には多数の断層が存在する。東電側は27日の記者会見で「約20万年前以降の活動はない」と活断層の可能性を否定したが、規制委は、柏崎刈羽については断層を最優先で調べる方針。東電が目指す今年度内の再稼働への道のりは厳しい見通しだ。
規制委は7月に施行した規制基準で、活断層の真上に原子炉建屋などの重要施設を建てることを禁じている。柏崎刈羽直下には断層が23本あるとみられ、安全審査では直下の断層が活断層に当たるかどうかが焦点になる。断層が活断層と判断されれば2基の運転再開は不可能になる。
また、柏崎刈羽は2007年の新潟県中越沖地震の際、特殊な地下構造によって想定以上の揺れが観測された。このため、規制委は規制基準で地下構造を立体的に把握する調査も義務付けている。
一方、安全審査を担当する原子力規制庁の態勢は3チーム80人。すでに12基(すべて加圧水型)を審査しているが、要員はほぼ限界の状態だ。東電が27日に提出した柏崎刈羽の申請書は約6600ページ。これまでの12基とは原子炉のタイプが異なる沸騰水型で、初めての審査となる。規制庁幹部は「審査開始から終了まで少なくとも半年程度かかる」としているが、断層の調査結果によっては、審査の長期化も避けられない。【中西拓司】