SUBARU GOODS
●RECORDS● | |
これぞ「野生の響き」LEONEのレコード
1997年4月、スバリストの一員である私は、青森県野辺地町に、5月で廃止となる南部縦貫鉄道(右下)を乗車しに旅立った。そこで活躍するレールバスキハ10は、30年昔のバスそのものの風体で風情があり、鉄道ファンに人気もあるが、実をいうとエンジンは日野製、そして車体は富士重工製なので、スバリストとしては見過ごせないのだ。 | |
レオーネハードトップの唄 いまここに 唄:尾崎紀世彦 企画制作:富士重工業 なんてこった、レオーネハードトップの歌か。存在すら知らなかった。だが実際にあるのだから仕方がない。 問題は値段である。高い。ソノシートのくせに人に言えないくらい高い。 買うかよすか悩みながら、わんこそばは105杯食った。そばは私の脳にまで溢れかえり、正常な判断能力をマヒさせた。私はその時本能と反射の権化だったのだろう。 結局これは、人から借金をして買ってしまったのである。私もまだまだ若者で通るなと思った。 この盤もまた非売品である。これにはコマーシャルソングの表記がなく、いわゆるイメージソングであると思われる。 人の耳に触れる機会は極めて少なかっただろう。これまた尾崎紀世彦関連のCDには収録されていない。 レオーネクーペは若者向けでワイルドという設定だが、レオーネハードトップは上質な雰囲気でややアダルト層を狙ったようで、そのためこの盤のジャケットも国籍不明の鮮やかな女性で(小冊子「スバルの40年」によると、この女性は鰐淵晴子とのこと)裏ジャケットの尾崎紀世彦も「どこから来たのか」とは雰囲気を変え、物憂げな表情である。 実際の曲調も8分の6拍子でゆったりしており、まるで尾崎紀世彦ディナーショウのように大いに唄い上げる。「心ときめく〜夜のレオーネ、おほおぉぉぉぉ〜レーオーホオーネー」と絶唱するのだ。いいねえ。 | |
CHICAGO 7:05 唄:ハリー・ステンソン キティ 7DS0094(1985) 1985年2月にスバルXTの名でアメリカで発表され、同年6月に日本でも発売が開始されたアルシオーネ。航空機をイメージしたというくさび型のスタイリングはかなり奇妙なものであり、現在でも独特の評価がなされている。 日本ではすっかりレア・カーの扱いだが、アメリカではよく売れたようである。 そんなアルシオーネの、これはイメージソングだそうだ。たまたま中古レコード屋を物色していて見つけた。 ハリー・ステンソンという人物はアメリカのパーカッショニスト兼ボーカリストで、レコーディングやコンサートツアーに参加する裏方ミュージシャンであるという。私も知らなかった。市場では外道扱いのようで、値段は安かった。 肝心の歌の方であるが、軽快なシンセ・サウンドであるが、別に突出した特徴がある訳ではない。感動的なメロディでもない。例えるなら、元気のないクリストファー・クロスといったところか。ジャケットのコピーに「オトナ アヴァンギャルド」と書いてあるが、少しもアヴァンギャルドではない。都会的に洗練されたというイメージを狙ったのであろうが、これではAORのできそこないだ。実車のイメージに完全に負けている。 B面「CHICAGO 7:06」は、A面とわずか1分ちがいのタイトルであるが、ただのA面のインストゥメンタルナンバーだった。 ジャケットデザインを楽しめるのが唯一の魅力であり、現在のCDシングルと違って、7’シングルレコードならではの画像のもつ力が味わえる。 |
●BOOKS● |
四輪駆動車とFF車のドライビングテクニック 小関典幸・高岡祥郎(山海堂)1978 | |
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すごい表紙である。レオーネが雪の斜面を猛突進していてコブにぶつかった瞬間のように見える。 この本が出版されたのが昭和53年。 この時代に4WD車といえば、乗用車ではスバルレオーネだけであり、ほかはジープタイプであった。普及率は相当低かった。 FF車のラインアップも各車両メーカーに1種類程度の低さで、まだまだ未知の領域を含んでいた。ドライビングテクニックに関して述べられることはきわめて少なかった。 スバルは、FF乗用車のパイオニア・スバル1000を生み出して以来FF車と4WD車の生産を続けてきたが、時代の主役にはなれず、なんとか世に自社製品を広めたいと思ったのだろう。中身はスバルレオーネとジープを使ってのテクニック解説である。この本の著者小関/高岡両氏は、スバル・ワークスドライバーとしてモータースポーツ界で活躍している人達であり、モータースポーツ啓蒙のためにスバルが身内に書かせたという見方ができる。 |
4WD乗用車/鈴木五郎(山海堂)1982 実力隠してさりげない こちら、自由な乗用車 | |
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4輪駆動の乗用車といえばレオーネしかなかった時代に、4輪駆動車の全般的な解説をするふりをして、実はレオーネのこと細かな説明をしている。レオーネ4WDの性能や魅力や生い立ちを述べる上で、富士重工の歴史や企業体質にまで話が及んでいる。表紙もグラビアも挿絵も記事もほとんどAB型レオーネ4WDである。 当時の山海堂ではこのほかにも、「4輪駆動車の発展過程と現状をわかりやすく紹介」した「走れ!四輪駆動車/影山夙」「四輪駆動車とFF車のドライビングテクニック/小関典幸・高岡祥郎」といった、スバル関係者が書いたスバル色の濃い本を出していたが、それらの本がこの「4WD乗用車」の参考文献となっている。 |
スバルレオーネ4WDと大いなる自由の本 バオバブストリート編(山海堂)1985 トータルなレオーネライフのテキスト | |
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ただならぬ個性を持つレオーネも、このAA型では幾分かスタイリッシュになり、かなり普通のクルマっぽくなったと見なされていた。そのためかどうかは知らないが、これはAA型レオーネのガイドブックである。レオーネといえば、やはり自由がキーワードとなるのだろうか。しかも大いなる自由である。 内容的には別に特筆すべきことはなく、グレードごとのスペック表が充実しているが、こんなものは説明書にでも書いておけばいいと思えるようなことが満載である。つまり、レオーネの付属説明書はやたらに親切で内容が濃いのだ。 |
ジェイズ・ティーポ8月号増刊(1997) スバルオールアルバム(ネコ・パブリッシング) 古いスバルから97年のスバルまで、これ1冊でよくわかる。 古本屋でさがしてみよう。 |