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【社会】

お伊勢参り 人気空前 年間最多900万人突破

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 三重県伊勢市の伊勢神宮で、今年の年間参拝者数が、記録に残る一八九五(明治二十八)年以降の年間最多記録を超え、初の九百万人台に乗った。二十三日現在で九百二十三万六千三百七十二人を数え、これまで最多だった二〇一〇年の年間記録を約四十万人上回っている。早々に一千万人を超える見込みだ。二十年に一度の式年遷宮への関心の高まりが背景にある。

 神宮によると、年間最多記録を更新したのは今月十五日。一〇年の記録は八百八十二万八千八百五十一人で、この日のうちに約九千人上回った。

 二十三日現在の参拝者数の内訳は、内宮(ないくう)が五百九十二万九千六百八十一人、外宮(げくう)は三百三十万六千六百九十一人。今年一〜八月の両宮の参拝者数は、一〇年の同期比で26%の増加を示した。特に外宮が73%増と劇的に伸びている。

 外宮では一二年四月、神宮が遷宮の営みを紹介する展示施設「せんぐう館」を開館。周辺で飲食店を中心とした新規出店が相次ぎ、人通りが増えている。

 十月二日に内宮、五日に外宮で、建て替えられた新社殿にご神体をうつすクライマックスの遷御(せんぎょ)があり、その後、新社殿にお参りする人がさらに増えると見込まれる。

 外宮の過去最多の年間参拝者は、日米開戦直後の一九四二年の四百二十九万二千二百八十八人。内宮は二〇一〇年の六百五十二万八千三百九十人で、両宮ともまだこれを上回っていないが、順調にいけば両宮そろって超えそうだ。

 皇学館大文学部神道学科の桜井治男教授によると、一〇年は各地の神社仏閣がパワースポットとして人気を集め、参拝者が増えた。

 遷宮の年はこれまでも参拝者数が増えている。桜井教授は「今回は自然災害や不安定な社会情勢の影響もあり、聖地性のある場所に立って何かを乗り越えたいという人々の気持ちが強まっているのではないか」と分析。マスコミの盛んな報道もお伊勢参りの人気を高めているという。

 

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