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大分強盗殺人、控訴審で逆転有罪「自白信用できる」
福岡高裁判決、無期懲役に

2013/9/20 16:02
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 大分県豊後大野市で2005年、一人暮らしの女性を殺害し車を奪ったなどとして強盗殺人などの罪に問われた無職、伊東順一被告(61)に対する控訴審の判決公判が20日、福岡高裁であった。服部悟裁判長は無罪(求刑無期懲役)とした一審・大分地裁判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。

 物証に乏しい事件で、捜査段階の自白の信用性が最大の争点。一審判決は「供述が不自然、不合理で変遷もしている」などと指摘していた。20日の控訴審判決は「被告の自白は他の客観的証拠と整合し、十分に信用できる」と逆の判断を示した。

 伊東被告は顔見知りだった無職、山口範子さん(当時61)宅で、山口さんをコンクリート片で殴るなどして殺害し、車などを奪ったとして07年に逮捕された。逮捕後に容疑を認めたが、公判では一貫して否認した。

 10年の一審判決は、被告が事件後、山口さんの車を使っていたといった状況証拠だけでは「犯人と断定できない」と判断。捜査段階の自白については「被告は質問者に迎合し、その場その場で発言を取り繕う傾向がある」などとして信用性を認めず、「犯人と認定するには合理的な疑いがある」と結論付けた。

 控訴審で検察側は、逮捕後の勾留理由を説明する法廷で被告が裁判官の面前で犯行を認めていることなどを示し、「供述は極めて信頼性が高い」と改めて主張。山口さんの車の内部に付着した微物から被告のDNA型を検出したとする鑑定書も新証拠として提出した。

 他にも(1)山口さん宅の足跡が被告の靴と一致した(2)被告が事件後に山口さんの商品券を持っていた――などの状況証拠を総合的に評価すれば「被告が犯人であることは明らかだ」とした。

 弁護側は全面的に反論した。「捜査官の誘導や圧迫で虚偽の供述をした」と主張。自白では「大量の返り血を浴び、山口さんの車で帰宅した」となっているのに、車内からはごく微量の血痕しか見つからなかったといった矛盾点を挙げ、「自白を裏付ける痕跡や証拠が一切ない」と訴えた。

 新たな鑑定についても「山口さんと顔見知りだった被告は事件前に車に乗ったことがあり、その際に微物が付着した」と説明した。

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