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【社会】

貨物船転覆、5人の死亡確認 三重の1人なお不明

2013年9月28日 02時01分

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 東京・伊豆大島沖で27日午前1時25分ごろ、名古屋市港区の丸仲海運(杉下吉利社長)が所有する貨物船「第18栄福丸」(498トン)と、西アフリカのシエラレオネ船籍の貨物船「JIA HUI(ジィア・フイ)」(2、962トン)が衝突した事故で、海上保安庁の特殊救難隊は同日夕、転覆した第18栄福丸の船内を捜索した。行方不明になっていた日本人乗組員6人のうち5人を発見、救助したが、船長を含む全員の死亡を確認した。救難隊は行方不明になっている残り1人の捜索を続けている。

 第三管区海上保安本部(横浜)によると、死亡した5人は、船長の大川信悟さん(62)、機関長の本山規(もとむ)さん(57)、次席機関長の西岡康典さん(57)=いずれも三重県尾鷲市、一等航海士の山本慶正(けいしょう)さん(29)=同県南伊勢町=と、次席船長の高井智昭さん(40)=静岡県焼津市。行方不明になっているのは、一等機関士の三鬼多満男(みきたまお)さん(61)=三重県熊野市。

 大川さんら5人のうち1人は甲板上にある3階建ての建物の最上部にある操舵(そうだ)室で、4人は2階部分の個室で見つかった。運輸安全委員会は27日、船舶事故調査官3人を下田海上保安部(静岡県下田市)などに派遣して事故原因の調査を開始。夜には乗組員の家族が三重県から到着し、遺体の身元を確認した。

 救難隊は同日午前、船底を上に向けて海面に浮かぶ第18栄福丸の船体をたたき、乗組員6人の安否を調べたが、船内からは反応がなかった。強風で波が高く捜索作業は難航。事故から約14時間半後の午後4時すぎ、天候が安定したため潜水して船内を捜索し、約15分の間に5人を相次いで発見した。

 ジィア・フイは自力で航行でき、午後3時すぎに静岡県の下田港沖に到着。乗っていた中国人12人とミャンマー人1人にけがはなく、下田海保の職員が船長や乗組員から事故当時の状況を聴いた。同船を管理する香港の海運会社「駿豪海運有限会社」の担当者は、本紙の電話取材に「船と一度連絡が取れたが、衝突時の詳しい状況は分からない。日本の海上保安本部の指示に従いたい」と話した。

 ジィア・フイの船首にはこすれたような跡があり、左舷の錨(いかり)がちぎれていた。第三管区海上保安本部が衝突との関連を調べている。現場海域には事故時、台風20号の余波による海上暴風警報が出ており、波の高さは2・5メートルだったという。

 丸仲海運によると、第18栄福丸は26日正午ごろ愛知県東海市の名古屋港を出港し、千葉港に向かっていた。一方、ジィア・フイは川崎港から韓国・釜山港に向かっていた。

(中日新聞)

 

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