福島汚染水:潜在リスク 原子炉建屋からの漏れなど列挙

毎日新聞 2013年09月27日 19時10分(最終更新 09月27日 19時28分)

 東京電力福島第1原発の汚染水問題で、政府の汚染水処理対策委員会(委員長・大西有三京都大名誉教授)は27日、今後起こりうる事故のリスクと予防・追加策をまとめた。現在までに表面化していない「潜在リスク」としては、溶けた核燃料が残ったままの原子炉建屋からの汚染水漏れなどを挙げている。国内外からの解決のための技術を募った上で、年内にも対策案の全容をまとめる。

 汚染水をめぐっては、今春以降に地下貯水槽や貯蔵タンクからの漏れ、海洋流出などのトラブルが相次いで発生した。今回の方針は、こうした問題が起きるたびに対処するという後手に回ってきた対応を反省し、まとめられた。

 潜在リスクでは、原子炉建屋からの汚染水漏れのほかに、汚染水の移送配管からの漏れ▽放射性セシウム除去装置からの漏れ▽セシウム除去後に生じる放射性廃棄物の存在▽地震や竜巻などの自然災害による汚染水保管設備の破損−−などを列挙。対策として、1〜4号機の建屋から生じる汚染水を浄化装置に直接移送する▽壊れた建屋に地下水が流れ込み汚染水が1日400トン増加しているため、建屋外壁の貫通部を止水する▽防潮堤を新設する−−などを挙げている。

 一方、すでに問題となっている汚染水の海洋流出や貯蔵タンクの漏れについては、現状の対策が失敗した場合に備え、港湾内の海水に含まれる放射性物質の除去技術の開発や、貯蔵タンクから微少な漏れを察知するために設置エリアの地表の除染、設置を計画中の地中の土を凍らせて建屋周りに壁を造る凍土遮水壁以外の「追加的な遮水壁」の検討方針も明らかにした。

 今回まとめたリスクと予防・追加策は「実現性は考慮していない」(対策委)とし、多くは国内外からの「技術公募」を前提としていて、実現性は未知数だ。このため、対策委は、取り組むべき対策の優先順位や工程などを議論した上で年内にも改めて整理するほか、現時点で把握できていないリスクも、判明すれば盛り込む方針だ。【鳥井真平】

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