債券は反発、2年債入札順調で中期ゾーンに買い-円高・株安も支え
9月27日(ブルームバーグ):債券相場は反発。きょう実施の2年債入札が順調となったことから中期ゾーンに買いが入った。外国為替市場での円高基調や国内株安も相場の支えとなった。
東京先物市場で中心限月の12月物は前日比5銭高の144円07銭で開始し、いったんは144円15銭まで上昇したが、その後は上値が重くなり、4銭高まで上げ幅を縮めた。しかし、午後に入ると再び水準を切り上げ、一時は144円16銭まで上昇。結局は12銭高の144円14銭で引けた。
三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、日銀による国債買い入れオペで需給は良好で金利は低下していると指摘。 2年債入札については「中短期ゾーンは需給が逼迫(ひっぱく)しているので、悪くなりようがない感じ」だと話した。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.685%で始まり、午前は同水準で推移。午後に入ると0.68%に水準を切り下げた。前回入札された2年物の332回債利回りは、午後に入って0.5bp低い0.095%に低下。5年物の114回債利回りは0.5bp低い0.235%に下げた。
JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、短期ゾーンは短期国債(TB)を含めて需給がタイト化しているとし、「2年債入札は良かった。利回りが0.1%を割り込んで、付利(日銀超過準備預金に付ける金利、現在0.1%)水準を下回っている」と話した。「金融機関の金余り状況により、短いゾーンから金利が低下している」とし、需給環境の良さが相場を支えていると言う。
財務省がこの日実施した表面利率0.1%の2年利付国債(333回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円00銭5厘と事前予想を5厘上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は7厘と前回のゼロから拡大。投資家需要の強さを示す応札倍率は5.50倍と前回の5.55倍とほぼ横ばいだった。
2年物の333回債利回りは一時、0.095%(100円00銭9厘)に低下する場面があったものの、午後3時半には0.10%で取引された。
27日の東京外為市場で円は対ドルで上昇。朝方は1ドル=99円付近だったのが、午後に入ると98円台半ばまで円が買われた。株式相場は反落し、TOPIX は前日比0.2%安の1217.52で引けた。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「株式相場の反落もあって、債券は売られにくい地合いを維持している」と指摘した。もっとも、10月1日の10年債入札がそろそろ意識されると言い、「下期入りとなれば一部で益出し売りの動きも出て、さすがに需給が緩む可能性がある」との見方も示した。
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更新日時: 2013/09/27 16:12 JST