タブレット動画で予習 武雄市が「反転授業」導入検討 [佐賀県]
小中学校の全児童生徒にタブレット型多機能端末を貸与する計画を進めている佐賀県武雄市教育委員会は26日、子どもにあらかじめ自宅で端末の動画機能による授業を受けてもらい、学校では分からない所や踏み込んだ内容を学ぶ「反転授業」の導入を検討すると発表した。11月に市立武内小で研究授業を行って成果を検証し、導入するかどうか判断するという。
反転授業とは、基礎的な内容は自宅で事前に学び、学校では応用力をつけさせるなど、従来の手順を「反転」させた教え方。情報通信技術(ICT)教育推進のため、10月1日付で教育長に次ぐ新設の教育監(非常勤)に就く元東京都杉並区立和田中学校長の代田(しろた)昭久氏(48)が会見で明らかにした。研究授業は算数と理科で、民間企業2社が無償提供するタブレット端末用の教材を使う。
武雄市の小中学校は16校、約4200人の児童生徒がいる。市は小学生に2014年度から、中学生に15年度から、全員に順次端末を貸与し持ち帰りも認めるという。代田氏はICTを活用した反転授業の利点として(1)知識習得の効率が上がる(2)授業の初めにタブレットを使った小テストをすることで理解度を正確に把握できる(3)教え合い議論する授業ができる-と説明。「授業時間を効率的にし、対話で解決法を生み出す能力を育成できる」と述べた。ただ、タブレット端末での予習を前提とした授業は、学校と保護者の連携や教員の対応能力が今以上に求められる。授業についていけない子どもにどう向き合うかなど課題も多い。
=2013/09/27付 西日本新聞朝刊=