覚醒剤密輸:女子大生ら2人に無罪判決 大阪の裁判員裁判

毎日新聞 2013年09月27日 21時45分(最終更新 09月27日 22時50分)

 コーヒー豆袋の中に覚醒剤を隠して密輸したとして、覚せい剤取締法違反(営利目的密輸)などの罪に問われた元会社員の女性(24)と女子大生(25)の裁判員裁判の判決で、大阪地裁は27日、無罪を言い渡した。岩倉広修(ひろみち)裁判長は「袋の中身が覚醒剤との認識があったという根拠が不十分」と述べた。

 女子大生は昨年8月、ウガンダから関西国際空港に着いた際、覚醒剤約1.85キロ(末端価格約1億5000万円)をスーツケースに入れて密輸したとして大阪地検に起訴された。元会社員は女子大生に渡航を依頼し、密輸させたとされる。公判で検察側は女子大生に懲役8年、罰金500万円、元会社員に懲役9年、罰金500万円を求刑。2人は無罪を主張していた。

 女子大生は元会社員の依頼で、仕事の書類を受け取るためウガンダで外国人と会い、土産としてコーヒー豆袋を手渡されていた。判決で岩倉裁判長は「女子大生は税関で覚醒剤が発見された際、パニックになった。覚醒剤が入っていたことを知らなかったと考えるのが自然」と指摘した。元会社員についても「大学生が帰国後に連絡が取れなくなると、自ら警察に相談している」と述べ、密輸に関与したとは認定できないとした。地検の上野友慈(ゆうじ)次席検事は「上級庁とも協議の上、適正に対処したい」とコメントした。【堀江拓哉】

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