裁判で警察官と癒着の実態証言09月27日 09時17分
暴力団捜査を担当していた愛知県警察本部の警部が脅迫電話をかけられた事件の裁判で、上司の会社役員の指示で電話をかけたとされる元部下は当時現職の警察官の実名を挙げて「自分の飲食店にたびたび来て小遣いをせびったり代金を払わず飲み食いしたりした」と述べて警察官との癒着について証言しました。
この事件は3年前、暴力団捜査を担当していた愛知県警の警部に脅迫電話がかけられたもので名古屋市の飲食店従業員、青木公司被告(43)が、当時の上司で、名古屋市の会社役員、佐藤義徳容疑者(56)の指示で脅迫電話をかけたとして脅迫などの罪に問われています。
26日、名古屋地方裁判所で開かれた裁判で青木被告は「佐藤容疑者の指示で現職や退職した警察官4人に現金を渡していた。捜査に関する情報を聞いたこともある」と述べました。
さらに、このうち当時現職のひとりについては実名を挙げて「小遣いをせびられたほか、自分の飲食店にたびたび来ては、代金を払わずに飲み食いされた」と述べて、警察官との癒着について具体的に証言しました。一方、この事件の裁判では佐藤容疑者の審理も続けられていて実名を挙げられた元警察官がこれまでに証人として出廷し「捜査情報を漏らしてその見返りに現金の提供や接待を受けたことがある。ほかにも接待を受けた警察官がいる」などとみずから認めています。
警察は佐藤容疑者と癒着していた警察官がいないか調べています。被告の発言について愛知県警の幹部のひとりはNHKの取材に対し「暴力団関係者と一線を越えた付き合いがあるという警察官のうわさは以前から絶えなかった。うみを出し切らなければ県民の信頼を取り戻すことはできない」と話していました。