ケーブルカー火災で追悼式 オーストリア、10年迎え【カプルン共同】2000年に日本人10人を含む155人が死亡したオーストリアのケーブルカー火災事故から丸10年を迎えた11日、現場の同国中部カプルンで犠牲者の追悼式が行われ、日本を含む各国の遺族ら約200人が集まった。 遺族らは、事故後に廃止されたケーブルカーの鉄橋を望む場所にあり、155人全員の名前が記された慰霊館で祈りをささげた。式に出席したオーストリアのファイマン首相は「われわれは犠牲者に対し責任がある。こうした惨事を二度と起こしてはならない」と述べた。 慶応大スキー部員だった一人娘の楢原涼子さん=当時(22)=を失った父の均さん(63)=神奈川県鎌倉市=は日本人犠牲者らの名前の前でろうそくに火をともした。均さんは「今も悔しい思いばかりだ。カプルンでも日本でも事故は風化しつつあるが、悲劇を忘れてもらいたくない」と涙交じりに話した。 事故をめぐりオーストリアで行われた裁判では、ケーブルカー運行会社の役員ら16人が過失出火罪などに問われたが、火災自体は「予見できなかった」として、04年に全員に無罪判決が言い渡され、控訴審を経て確定した。 【共同通信】
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