「組織の責任なぜ問えぬ」=無罪判決に遺族ら怒り—福知山線事故

 井手正敬元相談役(78)らJR西日本歴代3社長の無罪判決を法廷で目の当たりにした遺族らには、深い失望と怒りが広がった。

 次男の昌毅さん=当時(18)=を亡くした上田弘志さん(59)は「指定弁護士の主張は否定し会社に対しては一言もなく、内容がひどい」と判決を批判。「誰かが責任を取らないと納得できない。気持ちが治まらず、頭の中はぐちゃぐちゃだ」と悲痛な表情を浮かべた。

 上田さんは言い渡し中、昌毅さんの写真を机の上に出していたが、「これ以上聞かせられない」との思いがこみ上げ、しまい込んだという。

 長女の容子さん=当時(21)=を失った奥村恒夫さん(66)は「個人を追及しても結果はこうなる。不当判決だが、予想に近い結末」と落胆。「もっと組織の罰を考えないと、これからも私たちのようにつらい思いをする人がたくさん出てくる」と法制度の是正を訴えた。 

[時事通信社]

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