形成手術は、病気や事故などで身体を損傷したときに、その外観を元に戻す手術のことである。いま、インターネット上で世界で類を見ない形成手術が注目されている。

なんと、鼻を失った中国人男性のおでこに鼻を生やしたというのだ。これは、画像加工でも冗談でもない! このおでこに生えた鼻は、鼻孔も鼻梁も粘膜も存在する立派な鼻なのだ。しかし、なぜこんなことに?

・交通事故で鼻を損傷

おでこに鼻を生やしているのは、福建省泉州市に住む男性・小連さん(仮名)だ。小連さんはもともと目鼻立ちがハッキリしたイケメン。しかし、2012年8月に交通事故に遭い鼻の部分を大きく損傷してしまった。

・手術を受けられず残った鼻も溶けてなくなる

事故で小連さんは左側の小鼻と鼻柱の一部を失った。だが、経済的な理由からすぐに形成手術を受けることができずにいた。そうこうしているうちに、彼の鼻は感染症を引き起こしてしまい、残っていた鼻の軟骨は溶解。彼の鼻は見る影もなくなってしまったという。

・一般的な手術は不可能な状態に → 医師「おでこで鼻を育てましょう」

鼻の変形により、小連さんにはアレルギーや喘息の症状が出るようになってしまった。さらに彼は変わってしまった自分の姿に苦しみ、過呼吸に陥ることも。

小連さんはさんざん悩んだ結果、ついに鼻の形成手術を行うことにした。だが、彼の鼻はすでに、一般的な鼻の形成手術ができる状態ではなかった。そこで、慎重に検討を重ねた結果、医師は「おでこで鼻を育てる」という結論を出したそうだ。

・鼻は本人の組織を使って形成

こんな手術聞いたことがない! だが小連さんは手術に同意。1年間にわたるおでこでの鼻の培養手術が行われることになった。

手術の概要はこうだ。まず、おでこの皮を広げ、つぎに鼻の支えになる軟骨を移植。これには小連さんの肋骨の軟骨が使われた。そして血液を循環させる人工の粘膜を移植し、両サイドの鼻孔を開ける。ここまでで、9カ月を要した。あとは最後の調整を行い、おでこの鼻を切り取り、元の鼻の位置に移植するだけだ。手術終了まであと一歩である。

・小連さん「はやく呼吸できるようになりたい」

まだ最後の工程が残っているが、公開された小連さんの鼻は、おでこについているという点を除いて、まったく自然そのものである。まだ、おでこに鼻が生えている状態なので外出時にやはりマスクと帽子は必須だ。だが、小連さんは「はやくマスク生活から解放されたい。はやく手術が終わって呼吸ができるようになりたい」と話している。

確かに本人の組織を使った形成手術は拒絶反応が少ないので比較的安全だと言われている。だが、まさかおでこで鼻を培養してしまうとは……形成手術は、身体の機能だけでなく心のケアにもつながると言われる治療だ。手術はあと一工程残っているが、彼の生活が少しでもよくなるよう願わずにはいられないだろう。

参照元:財経網台海網(中国語)
執筆:沢井メグ

▼こちらが手術の概要、最終的におでこで育てた鼻は元の鼻の位置に移植される予定だ
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