2013.9.27 FRI
松本零士と荒牧伸志のふたりが語る映画『キャプテンハーロック』
TEXT BY GBRIELE NIOLA
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI
WIRED NEWS(ITALIA)
──あなたは最も偉大なロボットとパワードスーツのデザイナーで、1980年代にはアメリカのTVシリーズ「トランスフォーマー」にも参加しました。いま、ハリウッド映画はこうしたデザインに非常に力を入れています。CG映画版『トランスフォーマー』だけでなく、『エリジウム』のような映画のパワードスーツや、『パシフィック・リム』のイェーガーなどです。あなたは彼らの作品やデザインについてどうお考えですか?
荒牧 ギレルモ・デル・トロは偉大なクリエイターで、素晴らしい人物です。ですから、わたしたちは彼にこの映画を観てもらいたいと思ってます。しかしわたしは日本人のクリエイターとして、アメリカの映画を観ると、彼らの資金力と、日本には同じ可能性がないという事実にフラストレーションを感じます。このため、わたしたちはこの大作『キャプテンハーロック』を、わたしたちのできることを世界に知らしめるために、世界規模で制作しました。
──宮崎駿監督の最新作、『風立ちぬ』のようですね。飛行機がアニメになっただけで……。
荒牧 まさにそうです! あの作品では、リソースはあったけれど、世界を舞台にして世界と戦うために苦闘する日本が語られています。描かれているのは、まさにわたしたちがやりたいことです。
──松本先生に。CG版『銀河鉄道999』の話もあるというのは本当ですか?
松本 話はしていますが、話だけです。この種の実験的なCGが映画でどのように機能するのかを理解する必要があります。どのような利点があり、どのような欠点があるのか。わたしたちはこの『キャプテンハーロック』でテストしています。
──「宇宙戦艦ヤマト」を元に2010年に本物の役者で制作された映画、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』のような実写版は考えなかったのでしょうか?
松本 いいえ。あの映画は、まったく気に入りませんでした。脚本を読んで、全員が死んでしまうことにわたしは同意しませんでした。彼らはわたしに何も尋ねてきていません。登場人物に未来がないことなど、わたしは絶対に望みませんでした。
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