今世紀末 気温4.8度上昇か9月27日 17時44分
世界各国の科学者で作る国連のIPCC=気候変動に関する政府間パネルは、最新の研究成果をまとめた報告書を6年ぶりに公表し、対策が行われなければ、今世紀末には世界の平均気温が最大で4.8度上昇すると予測し、温室効果ガスを大幅に削減する必要があると呼びかけました。
IPCCは27日、スウェーデンのストックホルムで開かれた会合で、最新の研究成果に基づく地球温暖化の現状や予測についての報告書をまとめ、日本時間の27日午後、公表しました。
地球温暖化の研究に関わる世界の科学者が集まった国連の組織、IPCCが、新たな報告書を公表するのは6年ぶりとなります。
報告書では、温暖化が「人間の活動によって引き起こされた可能性が極めて高い」と指摘し、これまでで最も踏み込んだ表現で、温暖化が人為的に引き起こされていることを強調しました。
そのうえで、対策が行われず、大気中の二酸化炭素の濃度が現在の2倍以上に上昇した場合、今世紀末には世界の平均気温が最大で4.8度上昇すると予測しています。
また、海面水位は最大で82センチ上昇すると予測しているほか、南極の氷が大幅にとけた場合はさらに数十センチ上昇する可能性もあるとしています。
そして21世紀の後半には、海面水位や気温の上昇とともに、大きな高潮や熱波などが増える可能性が非常に高いと指摘しました。
会見でIPCCのパチャウリ議長は、「地球の気候を安定化させるためには、かなりの量の温室効果ガスを削減しなければならない。これが報告書のメッセージだ」と述べ、各国に対策の強化を呼びかけました。
IPCCの報告書は国際的な温暖化対策の交渉に大きな影響を与えるもので、今回の報告書を受けて、各国の削減目標の見直しなどにつながるかどうか注目されます。
温室効果ガス削減目標 原発事故で示せず
地球温暖化の対策を巡って、日本は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、温暖化の原因となっている温室効果ガスの削減目標を示すことができない状況が続いています。
4年前の平成21年、当時の民主党政権は、温室効果ガスを2020年までに、1990年と比べて25%削減する目標を、国際公約として表明しました。
この目標を達成するために原発9基の新設などを想定していましたが、おととしの原発事故の影響で全国の原発の運転が停止したことなどから、目標が達成できない見通しになり、ことし1月、安倍総理大臣は、11月に開かれる温暖化対策の国連の会議=COP19までに、この目標をゼロベースで見直すよう、関係する大臣に指示しました。
しかし政府内では、COP19までに新たな削減目標を作るべきだとする環境省側と、現時点で目標を作るのは難しいとする経済産業省側で、意見の対立が続いています。
新たな削減目標を策定するためには、二酸化炭素を排出しない原発などでどれだけの発電量を賄うのか、あらかじめ見積もる必要があります。
環境省は、原発で賄われる発電量の割合を仮定して、幅を持たせてでも削減目標を作るべきだと主張しているのに対し、経済産業省は、原発の運転再開の見通しが立たないなかで、現時点で原発の発電量を仮定することができず、削減目標を作るのは難しいとして、いまだに具体的な協議に入ることができていません。
しかし、先進国の中で削減目標を掲げていないのは日本だけで、日本がCOP19までに削減目標を示さなければ、各国から厳しい批判の声が上がることが予想されます。
温暖化問題に詳しい茨城大学の三村信男教授は「今回の報告書では、人間の活動によって温暖化が引き起こされている可能性が高いことを、はっきりと示していると思う」と指摘したうえで、「環境が激変する世界はぜひとも避ける必要がある。国民に努力しようと呼びかけるためにも、日本政府は二酸化炭素の排出をどう減らしていくのかの目標を早く示す必要がある」と話していました。
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