【楽天】４３歳・斎藤、故郷愛「感謝。最高」

ナインと記念撮影する斎藤（中央）

　◆西武３―４楽天（２６日・西武ドーム）　楽天が西武に勝ち、ロッテが日本ハムに敗れたため、楽天の球団創設９年目での初優勝が決まった。１点リードの９回は、エース田中がマウンドへ。１死二、三塁のピンチを連続三振で切り抜け、胴上げ投手となった。星野監督は、中日、阪神に続き、史上３人目となる３球団でのリーグ制覇。

　握り締めた拳に、故郷への愛と感謝が詰まっていた。斎藤は力を振り絞り、上本を三振に切り捨てた。８回１死から肩に異変が生じたハウザーを緊急リリーフ。打者２人を料理し、田中にバトンを渡した。歓喜の輪に加わった仙台生まれの４３歳は、自らの運命に思いをはせた。

　「自分が生まれた場所にプロ野球チームができて、優勝が決まる試合に投げられたことがうれしい。すべてに感謝したい」

　１１年３月１１日。ふるさとが東日本大震災に見舞われた。ブルワーズの一員としてオープン戦を戦っていた右腕は、米アリゾナ州から親族や友人の無事を祈るしかなかった。運命に導かれるように、今季から楽天に加入。被災地の痛みを肌で感じながら、心に誓った。

　「もし、一つの勝ちが積み重なって東北という地が熱くなるのであれば、全力でやりたい」

　中継ぎ、抑えとして奮闘しながら、豊かな経験を若手に伝えた。「歴史的瞬間にいられる喜びがある。最高です」。８年ぶりに復帰した日本で、しかも生まれ育った東北のファンと味わった優勝。斎藤の選択は、間違っていなかった。