柏崎刈羽原発:再稼働へ曲折必至…27日に申請

毎日新聞 2013年09月26日 22時17分(最終更新 09月27日 00時08分)

新潟県の山田治之防災局長(右)から文書を受け取る東電の増田祐治常務(左)=新潟県庁で2013年9月26日午後4時46分、塚本恒撮影
新潟県の山田治之防災局長(右)から文書を受け取る東電の増田祐治常務(左)=新潟県庁で2013年9月26日午後4時46分、塚本恒撮影

 これに対し泉田知事は26日、「排気すると(放射性物質で)健康に影響が及ぶ危険があり、(現行計画のままでは)使用禁止だ」と述べ、規制委の審査は容認するものの、排気装置の設置を認めたわけではないとの立場を強調した。審査が始まった後でも、県との協議で申請内容を修正することを承認の条件に盛り込み、県の判断が確実に反映されるようにした。排気によって住民の被ばくが許容できないレベルになると判断されたら、今回の承認を取り消す考えも示している。再稼働までには曲折が予想される。【大久保渉、塚本恒】

 ◇東電安堵「やっと入り口」

 東京電力の広瀬直己社長は26日夜、「(申請の承認は)大変ありがたい。新潟県の条件をしっかり満たすようにしなければならない」と記者団に語り、安堵(あんど)の表情を見せた。再稼働に向けた準備が進まない中で高まっていた、金融機関からの電気料金の再値上げを求める声もいったんは弱まりそうだ。しかし、今後は原子力規制委員会の審査をクリアしたうえで、再稼働の地元同意も必要。泉田知事が出した条件に応える必要もあり、なおハードルは多い。

 再稼働は見通せないものの、審査の申請だけでも東電の経営に与える影響は大きい。10月下旬に約800億円の借り換えを控え、各金融機関は今週から借り換えに応じるかどうかの最終判断に入っていた。「申請すらできないのに、再稼働を前提にした経営計画には説得力がない」と批判する声もあった。申請できれば東電は、「再稼働に向け、一歩ずつ進んでいる」と金融機関からの圧力をある程度はかわすことができる。

 ただ、再稼働を実現するには課題が山積している。今後の原子力規制委員会による安全審査では、同原発の敷地直下に存在するとされる断層の判断が焦点になる。もし規制委が直下に活断層があると判断すれば再稼働は不可能だ。

 また、同原発は事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型(BWR)では初めて審査を受けることになる。こうした状況から、規制委の審査に時間がかかる可能性もある。安全審査をクリアしても、地元同意が進まなければ、やはり再稼働できない。

 ある経済官庁幹部は「審査と地元同意、これからが大変だ。再値上げの可能性は消えていない」と話した。【清水憲司】

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