秘密保護法案:「知る権利」明記見送り…政府、自民に原案

毎日新聞 2013年09月26日 22時28分(最終更新 09月27日 08時45分)

 政府は26日、特定の秘密の漏えいや不正入手に厳罰を科す「特定秘密保護法案」の原案を自民党のプロジェクトチーム(PT、座長・町村信孝元官房長官)に提示した。報道の自由について「十分に配慮」と明記。国民の「知る権利」の規定は見送った。来月15日召集予定の臨時国会提出を目指すが、公明党は知る権利の規定を求めており、修正される可能性もある。報道の自由の配慮規定も適用範囲が明確でないことから、国会論戦の焦点になりそうだ。【小山由宇】

 原案では、法案の目的を「安全保障に関する情報のうち特に秘匿が必要なものについて、適確に保護する体制を確立して収集、整理し、活用することが重要」と明記した。報道の自由に関しては「十分に配慮するとともに、拡張解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならない」と規定した。

 政府は当初、公明党の要望を踏まえて知る権利も追加する方針だったが見送った。「憲法が保障する基本的人権に該当するか、法律的にも議論が分かれる」(内閣官房)としているが、内閣官房幹部は「今後加わる可能性もある」と修正に柔軟な姿勢を示した。

 特定秘密の範囲は(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動防止(4)テロ活動防止−−の4分野を指定。政府が同時に示した法案別表で「自衛隊の運用やこれに関する計画・研究」「安全保障に関する外国との交渉内容」「テロ防止に関し収集した外国政府からの情報」などの23項目を示した。特定秘密の指定期間は「5年以内」とし、必要な場合は、行政機関の長が「5年を超えない範囲で延長」するとした。ただ、延長の基準は明記されておらず、町村氏は「閣僚が変われば運用も変わるのはまずい」と指摘。政府側は、政令などで統一基準の作成を検討する意向を示した。

 罰則については、特定秘密を漏らした公務員は懲役10年、業務上提供を受けた業者などが漏らした場合は5年以下と規定。不正入手にも懲役10年を設け、具体的には、人をあざむく▽暴行▽脅迫▽不正アクセス行為−−などとした。

 報道の自由の規定はあるものの、取材が処罰対象に該当する可能性について内閣官房は「執拗(しつよう)な取材は当てはまらない。社会通念上是認できない場合に限る」とするにとどまり、適用の具体例は原案では詰まっていない。

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