東日本大震災で被災し、運休中のJR山田線(岩手県宮古−釜石間)の復旧を協議する東北運輸局の第6回山田線復興調整会議が25日、盛岡市であった。JR東日本はバス高速輸送システム(BRT)による仮復旧を再提案したが、沿線4市町は「BRTでの仮復旧は必要ない」とあらためて退けた。
会議は非公開だった。終了後のJRの説明によると、JR側は当初提案で全体の17%の9.4キロとしたBRT専用道を46%の25.3キロに延長する案を提示した。
4市町は「BRTの優位性が格段に向上するものではない」と拒否。「BRTを整備する費用と時間を鉄道の本復旧に集中していただきたい」と4市町長の連名による文書で要望した。
JR東復興企画部の山口保幸担当部長は、提案を再び拒否されたことに関し「今後新たに(BRTを)働き掛けることはない」と語った。一方で「断念したわけではない」とも述べ、曖昧な姿勢に終始した。
本復旧するかどうかの方針を明言する時期も示さなかった。鉄道復旧に向けた自治体との技術的な課題解決は今後も続けるという。
山田線をめぐっては、JRが示したBRT導入案を昨年7月のJR山田線公共交通確保会議で4市町が拒否した。4市町と岩手県は、JR側の求めに応じて利用促進策について検討している。