フィギュア:キム・ヨナ故障、ソチ五輪前に大ピンチ

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 「フィギュアスケートの女王」キム・ヨナ(23)がけがのため来月の国際スケート連盟(ISU)グランプリ(GP)シリーズの欠場を決断した。来年2月のソチ冬季五輪(ロシア)を前に、予想外の壁が立ちはだかった形だ。

 大韓氷上競技連盟は27日、プレスリリースで「キム・ヨナ選手は中足骨(足の甲の骨)微細損傷という診断を受けた。約6週間の治療を要し、完治後も再発防止のため一定期間リハビリが必要なため、GP大会をすべて放棄した方が良いと判断した」と明らかにした。

 キム・ヨナが初めて右足の甲に異常を感じたのは先月末ごろだという。病院の診察は秋夕(中秋節、今年は9月19日)連休中に受けた。例年よりもハードなトレーニングをこなして足の甲に衝撃を受け続けたために故障した可能性が高いとのことだ。キム・ヨナのジャンプのうちルッツとフリップは右足のつま先で氷をけって跳ぶ。

 キム・ヨナは2009年3月の世界選手権(ロサンゼルス)を前に左足の甲に痛みを感じ、数日間練習を休んだことがあった。08年初めには左股関節靱帯(じんたい)が伸びて筋肉が腫れたことからしばらく治療を受けた。この時は臀部(でんぶ)の筋肉も痛め、同年3月の世界選手権(スウェーデン・ヨーテボリ)では筋肉注射や鎮痛剤を打って試合に臨んだ。シニアにデビューした06-07年シーズンには腰と尾骨を痛めている。

 今回のけがでは回復までに十分な時間をかけ、治療と検査を並行していく方針だ。しかし、冬季五輪2連続金メダルに挑む「フィギュアの女王」の計画に支障が出るのは避けられない事態になった。

 キム・ヨナは当初、13-14年シーズンのGP第2戦(カナダ・セントジョン、10月25-27日)と第5戦(フランス・パリ、11月15-17日)に出場する予定だった。GPシリーズはISUが部門ごとに世界トップクラスの選手を招待する形で行われる。選手たちは最大2大会に出場でき、成績の合計スコアが6位以内なら「キング・オブ・キングズ(王の中の王)」を決めるGPファイナル(福岡、12月5-8日)に臨むことになる。

 今回のGPシリーズは、来年2月のソチ冬季五輪で演技するプログラムを披露し、ISUの審判たちの評価を受けるという点で重要な大会だ。しかし、キム・ヨナはGPシリーズを欠場することになったため、GPファイナルの出場もなくなった。五輪を前に実戦を経験し、世界ランキングを引き上げるチャンスを失ったことになる。キム・ヨナの世界ランキングは現在24位。11-12年シーズンに完全休養したためランキングは54位まで落ちたが、復帰戦と位置付けた昨年のNRW杯(ドイツ・ドルトムント)で1位、今年3月の世界選手権(英ロンドン)で優勝し、ランキングを上げた。五輪では最初の試合であるショートプログラム(SP)の出場順を抽選で決める際、世界ランキングに基づいてグループ分けをする。世界ランキングが上位でないと、下位グループに割り当てられることになる。審判は試合の後半部に集中する一流選手たちに対しプログラム構成点を高めに付ける傾向がある。

 キム・ヨナとしては何よりも五輪前に大会に出場し、作品の完成度を検証できるかがカギだ。 12月初めにドイツ・ドルトムントで開催されるNRW杯や来年1月20日から台湾・台北で開催される四大陸選手権を「模擬試験」代わりにする可能性もある。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者
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