2008年04月02日 00時54分56秒

★玄永燮の「朝鮮人の進むべき道」を読む

テーマ:☆韓国の歴史を考える

こんにちは。杉野洋明です。


植民地時代の朝鮮の知識人に玄永燮という人物がいます。



著書「朝鮮人の進むべき道」での「朝鮮人は、朝鮮語を忘れてしまわなければならない。朝鮮人が日本語でものを 考えたときこそ、朝鮮人が最も幸福になった時である・・・」という主張は、しばしば右翼的なサイトで取り上げられています。



ところで、この玄永燮、日本では上述の朝鮮語抹殺論の代表的な提唱者として(コリアンヲッチャーの間では)有名ですし、韓国では代表的な親日派として有名で、親日派人名事典にも名を連ねてます。



しかし、それ以外の情報は結構、限られていて、玄永燮がどのような人物だったのか、あまり知る機会がありません。



今回は、玄永燮についての研究レポートです。

調べてみますと、結構面白いことが分かってきます。




①玄永燮は実はバリバリの左翼だった!



韓国語のWikipediaで調べてみますと、経歴に以下のようなことが記載されています。



・・・京城第一高普を卒業し、京都で労動運動をした履歴を持つ。

大学卒業後、上海の南華韓人聯盟に加わる。白貞基などが活動していた南華韓人聯盟には、アナーキズム活動家である元心昌を頼って加入したとし,この組職の指示に従い、日本に渡って無政府主義運動を展開した。しかし1930年代中盤に、アナーキズム運動のせいで、しばらくの間、投獄され、後に出所した玄は、内鮮一体のために朝鮮語を全廃を主張し、猛烈と親日派として変身した。



上述の通り、当初玄は右翼というより、むしろバリバリの左翼(無政府主義者)だったわけです。

今件については、当時、京城地方法院に提出された報告書が現存しています。




玄永燮1


どうやら治安維持法違反の被疑者になっていたようですね。



父親の玄櫶の名前も、報告書には出てきますが、 この父親の玄櫶氏、朝鮮総督府中枢院の参議も務めた人物であり、いわば、保守本流のトップエリート。



息子が「治安維持法」みたいな、厄介な法に触れるようなことで、警察の厄介になっていたのは、当時の保守の人(特に総督府に勤めるような人)にとっては、相当恥ずかしい事だったのではないでしょうか?



ちなみに玄櫶氏も親日反民族行為195人名簿に挙げられている人物だそうで、親子二代共に、親日派認定されている事になります。



結局、これが契機になったのか、朝鮮半島で皇民化を積極推進していた「緑旗聯盟」の職員になり、極端な右寄りの主張を開始します。

ところで、この「緑旗聯盟」ですが、元々は、三重県出身の津田栄という人物が中心になって京城帝大で活動していた、日蓮宗系の団体だったそうです。


そして、玄は「朝鮮人の進むべき道」を著すのですが、実際に読んでみると無政府主義の考え方を(完全には)否定しきれてなかった模様です。




②玄永燮は大杉栄を尊敬していた!?



では、実際に「朝鮮人の進むべき道」を読み進めてみましょう。



朝鮮人の進むべき道1
「朝鮮人の進むべき道」表紙と1ページ


1ページ目の「この小著を日本国民として生きようとする真面目なる朝鮮人青年諸兄姉に捧げる」という表現がありますが、まさにイメージどおり(?)の親日派の玄永燮です。

最初の数ページは、イメージ通りの超親日的文章が綴られます。



朝鮮人の進むべき道2

「朝鮮人の進むべき道」4~5ページ


中央赤線部の「併合前の朝鮮は地獄であったといってよい」という表現は、しばしば引用される部分ですね。

しかし、この2ページを見ただけでも、「東国輿地勝覧」からの引用や、エンマ・クレーベルというドイツ系(?)の人物の引用等、幅広い知識を持っていたようです。


この調子で書き進められ、後半では「天皇に対する絶対的な信仰」の必要性を説き始めます。



朝鮮人の進むべき道3

「朝鮮人の進むべき道」129~130ページ



「朝鮮人の進むべき道」が書かれたのは1938年。

我々日本人は、全人類に「天皇陛下万歳」を唱えるように勧める・・・等は当時でも、相当な右翼的な思想だったのではないでしょうか??

この文の後半では、社会主義、無政府主義は不安定であり、天皇という現人神に帰依することが必要だ、と述べています。


ところで、この後に朝鮮人は日本語だけを話すべきだ、という主張がなされるわけですが、そこで出てくる文章は非常に興味深いです。



朝鮮人の進むべき道4

「朝鮮人の進むべき道」155~156ページ


民族語と国語の両国語は、語学の天才でないと出来ない、と述べているところで、語学的天才の例として、「エンゲルス」と「大杉栄」を挙げています。


大杉栄は、関東大震災で惨殺された無政府主義の代表的人物ですが、当時の日本内地でも、肯定的な発言はし難い雰囲気があったと思われますが、玄は、大杉を”語学的天才”と肯定的な表現を使っています。


かつて、無政府主義運動に参加していた時、大杉を肯定的に見ていたのでしょうか?


思想的には転向したとはいえ、大杉栄に対する敬意は捨てることが出来なかったのかも知れません。





以上、極々簡単にでしたが、「朝鮮人の進むべき道」を、紹介させて頂きました。



ところで、この玄永燮ですが、佐賀大学講師の永島広紀氏によると、戦後は(流石に?)韓国で命を狙われかねない存在になってしまった為、日本に密航してきたそうで、一時期は沖縄の米軍基地で、北朝鮮の情報を集める仕事をしたりして、結局、最後は大宮で英語塾をやっていたらしいです


あまりに激しすぎる主張を繰り返した玄永燮も、戦後はひっそりと過ごしていたようですね。



ところで、玄永燮が所属していた「緑旗聯盟」ですが、内鮮一体を積極推進していた団体で、多くの著書を朝鮮半島で発刊していたようなのですが、緑旗聯盟が発行した書籍を読み進めると、またまた新たな面白い発見があるわけですが・・・



それはまた次の機会ということで・・・




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