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【プロ野球】マー君が胴上げ投手 サヨナラ危機に連続三振2013年9月27日 紙面から ◇楽天4−3西武
楽天は1−3の7回に聖沢の四球を足掛かりに岡島、銀次の安打で2死満塁とし、ジョーンズが3点二塁打を放って逆転した。2番手のハウザーが2勝目。9回は田中が締めた。西武は救援の野上が崩れて連勝が4で止まった。 力いっぱいの153キロが決まった。「限定守護神」を託された田中が両コブシを突き上げる。歓声。絶叫。ナインが次々と駆け寄ってきた。連勝記録でも、個人タイトルでもない。どうしても欲しかった「優勝」をつかみ取った。 出番は1点差の9回だった。1死二、三塁のピンチを招く。「引いたら負け。これを乗り越えて優勝しろと言われていると思って、自分で自分を盛り上げた」。続く栗山、浅村に対しては全球直球勝負。連続三振に仕留め、最高の結末を演じた。 忘れることのできないシーズンになった。年初の誓いは「世界一と日本一」。侍ジャパンでは山本浩二監督からエースの指名を受けながら、期待に応えることはできなかった。「あんなに悔しいことはない」。大会公式球の対応に苦慮し、自らの投球を見失った。 決勝ラウンドではマウンドに立つことなく、敗戦を見届けた。コンディショニングを担当する星コーチが「全身が薄くなった感じで、何から手をつければいいか難しかった」と振り返るほど体はボロボロだった。 ただ、田中には「投げる」だけではない才能があった。「マサヒロは向上心の塊。常に自分を成長させることを考えている」と星野監督。傷心のWBCをエネルギーに変え、本来の姿を取り戻していった。 巨人の坂本とチームメートだった小学校時代からそうだった。父・博さん(52)も「高学年ぐらいから、自分で考え始めるようになったと思います」と振り返る。自宅でもボールの握りを何度も変えながら、首をひねっていた。「へこむ姿は見たことがないし、常に何かを目指している感じでした」 来年からは米大リーグに活躍の場を移す可能性がある。先発の日は毎試合、ネット裏にメジャー球団のスカウトが陣取っていた。その中で開幕22連勝。そして、通算26連勝。進化を続ける姿が強烈な印象を与えたことは間違いない。 自分がどれだけ勝ち続けても、決して満足することはない。今季の結果は先発投手としての理想では−。田中は首を振った。「理想を追い求めなくなったら、それは引退するときだと思う」−。その目は、すでに先を見ていた。 (井上学) PR情報
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