同じジム所属のホルヘ・リナレス(右)、粟生隆寛(左)とポーズをとるWBCバンタム級王者の山中慎介=東京都内のホテルで
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ボクシングのダブル世界戦(11月10日、東京・両国国技館)の会見が26日、東京都内のホテルで行われ、WBC世界バンタム級王者山中慎介(30)=帝拳=が同級8位のアルベルト・ゲバラ(23)=メキシコ=と5度目の防衛戦に臨むことが発表された。元2階級制覇王者で、ベネズエラ国籍のWBA世界ライト級3位ホルヘ・リナレス(28)=帝拳=は同級王者リチャード・アブリル(31)=キューバ=に3階級制覇をかけて挑戦する。
山中は8月12日に4度目の防衛戦を行ったばかり。その時はホセ・ニエベスを「神の左」で1回KO。放送時間の余ったテレビ局関係者の頭を抱えさせたが、山中は「1回で終わって、文句言われるなら幸せ。でも、今回の相手はステップワークが巧みだから、捉えづらいタイプ。どこで終わるかは言えないけど、中盤までには終わらせたい」とKO予告だ。
これまでの防衛戦では同じサウスポーとの対戦が続いたが、今回のゲバラは右構えのオーソドックス。そこが、試合の一つのポイントとなるが、山中は「同じサウスポー同士だと、左のストレートがちゃんと打てない。前に出ている相手の右腕にかぶせるように左を打つので、上体が傾いてパンチの威力がそがれてしまう。それが、相手が右構えの場合、左ストレートがまっすぐ相手に向かって打てる。威力? 100倍ですかね。アハハ」とジョーク交じりに豪快に笑った。オーソドックス相手だと、「真の神の左」が見られるというわけだ。
ゆくゆくは、本場ラスベガスでの防衛戦を夢見る。しかし、周囲では、同階級のWBA王者亀田興毅とWBO王者和毅との統一戦を望む声がある。バンタム級に3人も日本人世界王者がいるのだから、誰が一番強いのか興味を抱くのは、人情。山中も理解していて「応援してくれる人は、それを期待している。ま、次に期待しましょう」とニヤリ。亀田ブラザーズとの運命の決戦実現へ、負けられないV5戦だ。 (竹下陽二)
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