先日サムライインキュベート主催の「ソーシャル・SEOからの流入を10倍増やす!! コンテンツマーケティング講座 on everevo」に登壇してきました。
バズ部&LIGがコンテンツマーケティングを語る
テーマはブログを使ったコンテンツマーケティング。知る人ぞ知る人気ブログ「バズ部」から後藤正嘉さん、LIGから吉原ゴウさんがお話してくださいました。
まずは後藤さんのプレゼンから、内容を箇条書きでご共有。20分と短かったのですが、中身は大変濃い、というか説得力が違います。
・上場企業などに対してウェブマーケティングのコンサルティングを提供しているが、クライアントからはリスティングの広告の単価が急騰している、という相談が多い。売上と利益率を確保するために、何かできないか?と。
・広告よりも、見込み客を集めるサイトを作ってしまえばいいんじゃない?という提案を行っている。自社ブログ「バズ部」は4ヶ月で100万PVを達成した。問い合わせが来ても対応できないので、最近は問い合わせフォームを閉じて、更新を停止している。更新はしていないが、それでも毎月100万PVほどのアクセスを集めている。
・サイトリリースから初月で20万PV。約500ワードで1位を獲得。SEO対策、SEO、キャッチコピー、ECサイトなどで上位表示されている。
・メディア運営については、「良質なコンテンツ」を作ることに尽きる。同業他社から突き抜けたコンテンツを意識している。良質なコンテンツ→ソーシャル拡散→SEOという流れ。
・とにかくユーザーニーズをリサーチすることが大切。たとえば「通販 ファッション」「スニーカー」よりも「ネクタイ 結び方」の検索ボリュームの方が大きい。Googleのキーワードプランナーなどを用いて徹底的に調査し、コンテンツを練り上げている。
・「ソーシャルメディアで話題になる記事を書く」というよりは「上位表示されるコンテンツを書きましょう」ということをお伝えしたい。ソーシャルはあくまでツール。ブログやサイトをプラットフォームとして位置づけるのが良策だろう。
続いて吉原さんのお話された内容をまとめ。
・LIGブログでは「楽しんでやる」というのを大切に考えている。
・今のブログをはじめて1年半。それまでにも、技術系のノウハウを提供して、SEOで上位を取っていた。ただ、これは技術として参考しているだけで「ファン」ではない。われわれは営業マンがいない、予算的にリスティング広告もできない。そのなかで見つけた選択肢が、ブログだった。
・砂に埋められていた岩上、強いていえば彼が唯一の営業マンだった。そんな岩上があるとき「コンペにならない会社にしたい」「LIGさんにお願いしたい、と言ってもらえるような会社」にしたいと語った。
・ではどうするか、そのためには「好き」になってもらえばいい。好きになってもらうためには、「ためになること」+「楽しませること」、これが肝ではないかと考えてる。
・楽しいコンテンツはどうやって制作するか。大切なのは自分が楽しむこと。精一杯ぼくら自身が楽しもうとしている。社長を砂浜に埋めたが、これはめちゃくちゃ楽しかった。最悪、笑いが取れなかったとしても、自分たちが楽しいからいいかな、という気分でやっていた。
・楽しむ記事と役立つ記事、これは2:8くらいで考えている。プリンをイメージしている。プリンのカラメルは2割、あとは土台。黒い部分が大好きだけど、あれが半分だったら甘すぎる。黒い部分がなければ、ただの技術系ブログになってしまう。その上に、濃い蜜を垂らしてあげるイメージ。
・実はブログの本数でいうと、真面目な記事が圧倒的に多い。しかし、面白記事の方がコンテンツとしては残っている。直接会うと、「LIGさんって何の会社ですか?」「真面目な記事を書いているんですね?」と言われることがある。印象と乖離があるなぁ、と感じている。
・SEOを考えて、役に立つ記事を出していく。そういった記事で我々の技術を見せたい。その上で、変なことをやっていく。右上のひろゆきが、マウスオーバーすると変なことを言ったりする。こういう小ネタを入れていく。
・無駄なことだけど、人間はこういうものが好き。なんかわからないけど、面白い。それが記憶に残っているのだろう。費用対効果は度外視している。狭い意味でいうと、効果はない。広い意味でいうと効果はある。売上の10%くらいは「わけわからないこと」に割きたい。
・ァンを作るということで、SNSにも運用を力を入れている。フェイスブックページのファンは17,000名。お知らせを流しているが、たまにアホみたいな写真をアップしている。社内の空気を極力伝えようとする。自分からさらけ出さないとダメだ、と考えている。
・心を開いてもらいたければ、まずは自分を心を開くことから。LIGはフルオープンな会社です。そうすると、気軽なコミュニケーションが生まれる。返事をしていく。これは手間だが、その価値はあると思っている。
・今週末、引っ越しする。フェイスブックページで花より椅子をください、とアピールしてみた。欲しいものリストのリンクも張ってみた。思ったことをすぐに発表できる場を持っている。17,000人にアプローチできる場をやっと作ることができた。
・バズ部のように初月21万PVというと楽しいと思う。ぼくらは最初はアクセス数は少なかった。モチベーションを維持しなければいけない。自分たちが楽しいからいいや、くらいでやっていくと、だんだん楽しくなってきて、アクセスが集まっていった。
・メディアによって、採用がすごく楽になった。LIGは採用コストがほとんど掛かっていない。入りたい、という人がちょこちょこ来る。採用告知ブログを書くと応募が来る。さらに、会社とのマッチング精度が高い。
・クライアントに関しても同じことがいえる。なんとなく検索結果で上位にきたから申し込んでみた、ではない。LIGをもともと知っていて、今回一緒になにかやりたくて、というオファーをくれる。顧客の要望とのミスマッチがなくなってきた。
・さらに、最近は自社メディアでマネタイズも行っている。コーポレートサイトで広告を販売する、これは前例がないが、やってみたら面白いんじゃないか、ということで始めた。積極的にマネタイズしよう、と考えている。Adsenseや広告の実験の場にもなっている。
・月間200万程度アクセスがあるので、A/Bテストができる。実際、掲載しているバナーはいくつかテスト中。ブログがテストマーケティングの場にもなった。
・ちなみに、右下の移動バナーはCTRで最大15%まで行った。これはイレギュラーだと思うが、そういうことも見えてくる。
・良質なコンテンツを出して、さらに楽しさも出していけば、メディアは持続可能になると思う。
続いてぼくのプレゼン。こんな資料を使ったのでご参考まで。
会場にはこれからメディアを立ち上げます、という人が多数集まっており、よい情報交換の場にもなりました。某上場企業にヘッドハントされてメディア立ち上げを任されている、元ウェブ媒体のライターの方とお会いできたのも収穫。ライター(ブロガー)から企業ブログの編集長、というキャリアは地味に増えていきそうです。
ついでに近著も宣伝しておきます。レビュー12件と非常に良い評価をいただいております。メディア立ち上げ、運営の参考にぜひ。