三菱ケミカルホールディングスは26日、産業ガス国内最大手の大陽日酸の出資比率を引き上げると正式発表した。現在の15.12%から27%程度に高める。総額は400億円弱。三菱ケミカルが整備する海外生産拠点に、大陽日酸がガスを供給するなどして連携を強化する。大陽日酸は調達した資金をガスの増産や企業買収に活用し経営基盤を強化していく考えだ。
三菱ケミカルは10月15日付で大陽日酸の第三者割当増資と自己株式売り出しを引き受ける。払込総額は309億円で、出資比率は24.48%に上昇する。あわせて既存株主から相対取引で2~3%分を買い取る。相対取引にかける費用は60億~90億円と見込まれる。
両社は今後、作業部会を立ち上げて連携の具体策を検討する。海外生産拠点での協業に加え、三菱ケミカルの炭素繊維容器を大陽日酸も販売するなど、販路の相互活用も進める方針だ。
大陽日酸は調達資金を設備投資とM&A(合併・買収)に充てる。国内外のガス生産拠点の新増設に約250億円、ガス販売会社の買収などに50億円超を投じる。産業ガス業界は世界首位の仏エア・リキードや同2位の独リンデが規模拡大に積極的。三菱ケミカルの追加出資で、同業他社からの被買収リスクを下げる狙いもある。
化学業界は最終顧客である自動車・電気機器メーカーの海外展開やコスト競争力に勝る海外勢の生産能力増強を受け、厳しい経営環境にある。各社は成長を目指して新興国に進出したり、医療関連のM&Aに資金を投入したりしている。今後は三菱ケミカルと大陽日酸のように、異分野の企業同士が連携して相乗効果を得ようとする取り組みが増えそうだ。
三菱ケミカルホールディングス、大陽日酸、ガス、エア・リキード、リンデ
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