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【ブログ】野田改造内閣は過去の過ちを繰り返すのか (2012/01/14 )
野田総理は、内閣改造後の会見で「先送りをすることのできない課題を着実に推進をするための最善かつ最強の布陣」と述べました。しかし増税以外、東日本の復旧復興の加速化、経済の再生や行政改革といった重要課題について具体的な言及がなされていないのが残念でなりません。

今日も民放の番組に出演されていましたが、話を聞けば聞くほど、1997年の橋本増税と同じ過ちを繰り返すのではないかと危機感を持ちました。

橋本龍太郎元首相は、2001年4月自民党総裁選の立会演説会で、97年に首相として実施した消費税増税(3%から5%への引き上げ)について以下のように述べました。

「バブル崩壊後の長期の不況を脱することができない、そして国民の皆様に不安と苦しみを与えることに、政治の責任を感じています。

振り返ると私が内閣総理大臣の職にありましたとき、財政の健全化を急ぐあまりに、財政再建のタイミングを早まったことが原因となって経済低迷をもたらしたことは、心からお詫びをいたします。

そして、このしばらくの期間に、私の仲のよかった友人の中にも、自分の経営していた企業が倒れ、姿を見せてくれなくなった友人も出ました。予期しないリストラにあい、職を失った友人もあります。こうしたことを考えるとき、もっと多くの方々がそういう苦しみをしておられる。本当に心の中に痛みを感じます。」

当時、私は、橋本さんから、こうした強い思いで総裁選に再挑戦するので支えてほしいといわれました。自身の消費増税の失敗を率直に認め、過ちを繰り返させないとする意志と、経済財政運営の方向性に共鳴して、橋本陣営で総裁選のマニフェストづくりに携わりました。この演説草稿も橋本さんと相談しながら書きました。小泉純一郎氏に総裁選で敗れたものの、橋本プラン(「200日プラン」)の経済財政政策の中身は、小泉政権によって引き継がれていったのです。

橋本さんが悔やんだ97年の増税。当時、国の税収は53.9兆円でしたが、増税したにも関わらず、98年以降、一度も97年の税収を上回っていません。

なぜ財政危機がここまで深刻化したのでしょうか。

リーマンショック前までは、82兆円で予算を組んでいました。しかし、いまは97兆円。10兆円以上も歳出が膨らむ一方、税収は10兆円も落ち込んでいます。

水ぶくれしている歳出を切り詰めることなくしては、マニフェスト総崩れのツケを増税で国民に回すだけのことになります。

現在の円高デフレ状況で増税が先行すれば、デフレ圧力がかかり経済が失速する。97年と同じ失敗を繰り返しかねません。経済の再生なくして財政再建はないのです。まず、経済を建て直し、無駄を削減し、社会保障の全体像を描いて、日本の大きな改革をリードしてもらいたい。そう野田改造内閣に要望したいと思います。





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