【楽天】マー君が胴上げ投手！Ｍ２でリリーフ待機

試合前、ベンチ前の円陣で笑顔を見せる田中

　◆西武４ｘ―２楽天（２５日・西武ドーム）　楽天が西武に２試合連続のサヨナラ負けを喫したが、２位のロッテが日本ハムに敗れたため、優勝マジックは１つ減り「２」。きょう２６日、楽天が勝ち、ロッテが負けると、球団創設９年目で初めてのリーグ優勝が決まる。Ｖ決定の可能性が出たことで、開幕２２連勝中のエース・田中をブルペン待機させることを決定。マー君が胴上げ投手となり、歓喜の瞬間を彩る可能性が出てきた。

　星野監督は、ただ笑うしかなかった。同点の９回、２死二塁から加藤大が片岡にサヨナラ弾を浴びた。敵地・西武Ｄで４戦連続サヨナラ負け。７回に捕手の一塁けん制で銀次が憤死する走塁ミスもあった。「こんな野球をやってるようじゃ勝てないよ」。それでも２位・ロッテが日本ハムに敗れたため、優勝マジックは「２」となった。

　２００５年の球団創設から９年目。待ちに待った歓喜の瞬間のために、最高のシナリオが用意されている。エース・田中が優勝の可能性がある大一番、２６日の西武戦（西武Ｄ）にブルペン待機することが決まった。２１日の日本ハム戦（札幌Ｄ）に先発、８回１０４球を投げたばかりだが、星野監督はかねてから「田中を胴上げ投手にしたい」と明かしていた。今季は２２勝無敗。最大の功労者に最後を託す考えだ。

　２６日は楽天が勝利しても優勝決定はロッテの敗戦が条件となる。プレーボールは共に午後６時。試合の進行、展開など難しい判断にはなるが、Ｖ決定の可能性があれば、田中を最終回のマウンドに送り込む。

　リリーフ登板は０９年７月２０日のソフトバンク戦以来、プロ３度目だ。過去２度は共に１回無安打無失点でセーブをマーク。普段とは違う環境での登板も問題はない。中４日となるが、今年のオールスター第１戦の先発は中２日で迎え、２回を無安打無失点。１５５キロもマークした。

　今季、守護神を務めてきたラズナーが８月下旬、右肘じん帯損傷で離脱し、その後は守護神不在に。「本人が一番悔しいだろうし、僕も残念。優勝の時に戻ってくることができるなら戻ってきてほしい」と、田中は話していた。チームメートの思いを継ぐ意味でも、絶好のマウンドとなる。

　この日、田中はベンチ入りしなかったが、試合は最後まで見届けた。「何も言えません」と、リリーフ待機についてはコメントを避けたが、先発する美馬が「最後はしっかり彼（田中）が締めてくれるでしょう」と代弁した。絶対的エースが歓喜の瞬間を締めくくる。