(高木 茉耶さん)

<人見知りのせいで友達作りに苦労した>
私は中学生活のほとんどを、教室でべんきょうするのが苦手な生徒のための居場所で過ごしました。
最初は中学校内の「学習室」という勉強室と「相談室」というカウンセリングルームで。その次は市区町村が運営する「適応指導教室」です。
私は小さい頃から人見知りで、知らない人になかなか馴染むことができません。小学校3年生の時、親友が転校してからクラスに馴染めなくなってしまいました。
一度嫌だと思うと、体にも影響が出るのか、体調を崩しがちになりました。
登校拒否になると勉強も遅れてしまいました。気づいたら中学校不登校になっていました。

同じく不登校で悩んでいる近所の友達と学校の話をしていて、中学校の中には教室に入らなくても勉強できる「学習室」というものがあることを知りました。
教室に入ると同学年の子が5人くらいいて、自分から口を聞けない私にいろいろと話しかけてくれたのが嬉しかったです。
全員と仲良くなり、学校が楽しくなり、毎日学習塾に通いました。

ところが新しい校長先生に「生徒同士で遊んでしまう」と、せっかくの居場所であった学習室がなくなってしまいました。
そして、しかたがなく教室に戻ったのですが、係りの仕事を一人でやらされて、先生にも訴えたけど誰も助けてくれませんでした。

結果、一週間で耐えられなくなり、不登校生のための適応指導教室に通いました。
そこでは良い友達に恵まれましたが、心に傷を残してしまいました。


<自分から積極的に声をかける人になりたい>
中学校までは通うだけで精一杯だったけど、高校に進んだら引っ込み思案の性格を直したいと思いました。
高校進学をきっかけに、今までと違う自分に生まれ変わりたかったんです。
「高校ではもっと積極的になりたい、高校生活を満喫したい!」と思いました。
勉強ができないので受験には不向きだと思ったし、クラスに馴染めなかったこともあるので、通信制高校が私には向いていると思いました。

授業見学に行き、雰囲気が気に入った高校を選びました。
見学の時に話してくれた先生がギターを教えてくれるといってくれたのもすごく楽しみでした。

私が入学後にできた音楽部に入部を決めました。
文化祭や学校説明会でのミニライブなど演奏の場をたくさん作ってくれました。
その経験を通して、将来は音楽業界で働きたいと思いました。
通信制高校では、自由に時間が使えたので、他にも、文化祭実行委員やアルバイトなどいろいろな経験をしました。勉強も基礎から学ぶうちに楽しくなりました。
特に、人と接する姿勢が変わりました。
例えば、転校生がクラスに打ち解けられない時など、クラスメイトに「いつもみたいに話しかけてきてよ」と言われます。

今まで私は相談室や適応相談室でも友達になるきかっけは、いつも向こうから作ってもらっていました。
だから、以前の私がしてもらってうれしかったように、高校では私から話しかけるようにしました。

このように積極的になれたのは、いろんなことに挑戦して自分に自信がついたからだと思います。
充実した高校生活は私を大きく成長してくれたと感じています。