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【モータースポーツ】

【その他4輪-国内】IPS、1年目の成果と課題 「もっと参加台数増やさなければ」

2013年9月26日 8時44分

シリーズ生みの親、関谷さん総括

IPSを立ち上げた関谷さんは来年以降さらにシリーズを充実させると宣言(カメラ=多賀まりお)

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 日本レース界の重鎮の一人、関谷正徳さん(63)が今年立ち上げた新シリーズ、インター・プロト・シリーズ(IPS)は今季最終戦の第3戦(21〜22日、静岡県・富士スピードウェイ)を無事に終えた。構想3年、スピードウェイ周辺のガレージ仲間の協力で開催にこぎ着けたが、テーマはワンメーク車両を使い、ドライバーの真の実力を測ることだった。初年度王者に期待の若手、平川亮(19)=RSS=が就くなど一定の成果を挙げたが、関谷さんは大きな手応えとともに、乗り越えるべき課題も見据えていた。

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 見応えのあるバトルの末、2勝目を挙げて年間王者を決めた平川亮を中央に据え、中山雄一と関口雄飛が両脇を固めた最終戦の表彰台を、関谷さんはまぶしそうに見つめる。「最後にみんながいいレースをしてくれて良かった。これなんだよ。平川(スーパーフォーミュラ)と関口(スーパーGT)が同じ土俵で戦うなんてことはないんだから。そんな2人が本当に良い戦いをしてくれた」。ドライバーが速さや技を使い切って戦うレースの醍醐味(だいごみ)を存分に披露し、最高のかたちでIPS初年度を終えられて満足そうな笑みを浮かべた。

 大スポンサーや自動車メーカーなどの後押しがない状況で、関谷さんらは「kuruma」というオリジナルレースカーをつくり、それを販売し、参加者を募るという一から新しいレースをつくり上げた。参加台数が7台にとどまり、やや寂しい戦いとなったのは否めないが、クルマやエンジン、そしてタイヤなどの優劣で勝敗が決まりやすい現代のレースに刺激を与える起爆剤にはなった。

 「(IPSが)良いというのは明白だと思う。ただ、私の考えがモータースポーツをやっている人にはなかなか届かなかった。それでクルマの台数を増やすことのハードルが高くなった」と関谷さん。ベテランや若手、参戦カテゴリーやメーカーの垣根を越えたドライバーが、その技量だけで戦いを挑むという新しい考え方は、そう簡単に受け入れられるものでもなかった。

 当然、それは来年以降の課題だ。「クルマの台数を増やすことが一番の課題。あと賞金、優勝したら500万円ぐらいもらえたら状況は変わってくるでしょう。それとクルマを買ってくれたオーナーがもっと喜んでもらえるイベントも必要。とにかくサーキットが楽しいと思える場所にしたい」と関谷さんは熱い。

 今年は同一チームのプロとアマが1台の車両を使い、別々のレースをする新しい試みに挑戦したが、それだけにはとどまらず、IPS車両を使った模擬レースを体験できる同乗走行も開催。パドックには女性を対象にしたファッション系ブースを置き、カート体験など子供も楽しめる試みにもチャレンジ。レースを見るだけでなく、家族がまる一日サーキットで過ごせる趣向を凝らしたが、これからもっと充実させるつもりだ。

 「協賛パートーナーをたくさん集め、賞金をもっと出せる環境をつくらないといけないし、参加台数ももっと増やさなければ。まだまだやることはたくさんありますよ」。関谷さんは初年度にハードルの高さを実感したが、それも自らの努力で飛び越えられると確信していた。 (田村尚之)

IPS最終戦でのスタートシーン。ドライバーの技量、速さが試される魅力いっぱいの新シリーズだ(カメラ=多賀まりお)

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レース以外にも子どもを対象としたキッズカート体験会を実施(カメラ=多賀まりお)

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