(保護者:小林 美奈子さん)
<学校に馴染めず自暴自棄になり、自殺未遂>
娘が中学1年生のとき、ある大学の先生が講演会で学校にいらしてました。
公演後に行われた個別相談で娘のことを話したら、カウンセリングへ通うことを勧められました。それがきっかけで月1回、ある大学でカウンセリングを受け始めました。
そこで「葛藤回避」という言葉を知りました。
これは、一般の人なら「仕方がない」と乗り越えられる葛藤を、乗り切れない状態のことです。
たしかに、娘は葛藤があると言い訳することが多かったです。
インターネットで「葛藤回避」という言葉を調べてみると「思春期心理学会」という言葉がでてきて、そこに所属している洗心会の一覧が載っていました。
通えそうな家から近い病院の電話番号が載っていたので電話して予約をとりました。
いままで精神科医ではいい先生に巡り会えずにいたのですが、その先生は物腰が柔らかく親しみやすい先生で、心を閉ざしていた娘もすこしずつ心を開いてきました。
本当は、精神科にはあまりお世話になりたくないと思っていたました。
娘は自殺未遂を図るし、家では頭を壁にガンガンぶつけて「私なんてどうなってもいい」といって荒れていたので、悩んでいる場合じゃない。
私の力だけではどうにもならないので医療の力を借りるしかなかったんです。
<娘が元気を取り戻してくれたことが一番価値がある>
実は生活していた環境にも問題があったんです。
住んでいた家の道をはさんだ向かいに娘が以前登校していた中学校があって・・
娘にとっては学校が嫌で家にいるほうがいいはずなのにチャイムの音やと友達の話し声が聞こえてくる。
外出しても学校が視界に入ります。
娘が高校に入ってから転校することにしました。
引っ越した当初はこの選択が正しかったのか悩むこともありました。
でも、新しい家で娘が落ち着き始めたのを見て、この選択肢は正しかったと思うようになりました。
娘が立ち直れたきっかけが先輩への恋心だったと知り、驚きもありますが、精神科の先生や通信制高校の先生方の存在も大きいと思いました。
定時制高校を辞めてからどん底の状態だったので。
それでも、通信制高校の先生は学校見学にきた私たちを温かく迎えてくれました。
無気力な娘も、なんとか心を開いてくれて・・
ほかの見学に行った高校は先生と相性が合わなかったんです。
一方、この学校の先生は、入学後も娘を見放すことなく、必要な時には真剣に叱ってくれました。
ほんとうに、今の通信制高校に通わせてよかったと思っています。