<出席日数が足りず、通信制高校を選択>
芸能界を目指してオーディションに挑戦し始めたのは中学2年生のときです。映画やテレビが大好きで、女優やアイドルになるのが夢でした。ホリプロタレントスカウトキャラバンで決勝大会進出まで残ったのをきっかけに、まけず嫌いな性格に火がつきました。あとちょっとだったんだから次は絶対受かるという気持ちで受けて、「アイリング!!」で無事合格しました!

中学3年生で上京して事務所の寮から学校に通いました。でも、仕事が忙しくなるにつれて、週に1・2日しか登校できない日も増えてきました。曜日と時間が固定の仕事があると、その時間の授業は毎週欠席をせざるをえません。テストの点のみなら努力すればよくなるけど、出席日数はどうにもなりません。成績は良くなかったのですが、勉強をしたいという思いはありました。

だから、高校に行きたいと思っていて、自分でも通えそうな学校を探しました。
全日制ではなく通信制の高校を探したのは授業を休んでばかりではお金も時間ももったいないと思ったからです。それなら、最初から登校日が少ないほうがいい。通信制は少ない時間でも集中して勉強できて私の生活にもあっていました。事務所の先輩に紹介されたので安心感もあったし、学校見学に行った時も 先生がとても親切に、色々な相談に乗ってくださってこの学校なら通いたいなと思いました。


<ゲーム感覚の授業だから自然に学習内容が身に付く>
入学してうれしかったのは授業が新鮮で面白いことです。
たとえば現代社会の授業で分業の効率について学んだときは先生が持ってきた折り紙で車を折ったんです。
数人のグループで手順を分担して折った場合と、ひとりで全部折った場合、同じ作業の方が時間は同じでもずっと多く作れるんです。
ゲームみたいにあそびつつ、体で勉強が理解できました。
現代社会に限らず、ほかの授業も全部このような先生の工夫がいっぱいです。苦手だった地理も気づいたらちょっと好きになってました。

それに、こうした体験型の授業は友達を作るきっかけにもなります。一緒に作業をしていると親しみがわくし、声もかけやすくなります。学校にいる時間は短いけど、クラスメイトとは毎日顔を合わせているように仲良しです。
特に思い出に残っているのは体育大会です。学年ごとに勝敗をきそうので一年生にとって厳しかったのですが、大玉送りでは先輩方を抜きました!みんな夢中になって大玉に触れば勝ち、という感じで盛り上がりました。

普段は女子同士、男子同士で話すことが多かったのですが力を合わせて競技に取り込むうちにクラス全体が仲良くなりました。

芸能・プロフェッショナルコースは、アイドル・声優・俳優などの仕事をしている人がたくさんいます。でも、教室では仕事の話はほとんどいません。みんな仕事のスイッチはオフにした状態で、自然に過ごしている感じです。見ているとみんな普通の高校生だなと感じます。私も学校では肩の力を抜いて、高校生活を自分らしく楽しんでいました。まだ一年生なので、クラスのみんなとは卒業までにもっと仲良くなりたいです。


<高校卒業後の夢>
私にとって、 いちばん大切なのは芸能界の仕事です。でも、今すぐにではないけどいつか獣医になる勉強に挑戦したいと思っています。
私の実家は牧場をしていたこともあり、生き物は身近な存在でした。子牛の面倒をみたり、小犬の世話をしたり、快犬の世話をしたり、育てた牛を食べることもありました。命について自分なりに考える機会は多かったです。
それに、せっかく高校に入ったのだから勉強したことを活かしたい。難しい職業だから大変だと思うけど・・幼稚園の頃から憧れていた職業です。
それが叶うのがいつになるかはわかりません。でも高校を卒業することで進学への道は開けています。
身についたものはぜったいに無駄にならないと思います。
女優と獣医を両立している人はまだ出ていないそうなので、私がその一人目になりたい、とこっそり目標にしています(笑)

後藤 郁さん(日出高等学校、芸能・プロフェッショナルコース)