JR北海道:異常「もうない」直後に「170カ所」
毎日新聞 2013年09月26日 02時30分
JR北海道のレール異常放置問題は25日、新たに170カ所で判明し、ずさんな管理体制が改めて浮き彫りになった。豊田誠・常務鉄道事業本部長は前日の記者会見で「(異常放置は)もう出てこない」と話したばかり。問題発覚以来、説明は二転三転している。
JR北海道がレールの異常放置があったことを初めて明らかにしたのは21日夕の記者会見。そのときの説明は「副本線(待避線)で9カ所」。保線の責任者である笠島雅之・取締役工務部長は、本線は本社と現場でダブルチェックしているとして検査記録を再検討する考えはないとしていた。
ところが22日夕、本線で49カ所の異常放置が発覚した。国土交通省に本線も含めた検査記録を整理するよう指示を受けて判明した。「本社で詳細なチェックはしていなかった」。笠島工務部長は前日の説明の撤回に追い込まれた。副本線でも新たに39カ所で放置が見つかり、異常は計97カ所に上った。
JR北海道がデータを国交省に報告したのは23日。新たに170カ所の異常放置が判明したのはその後だ。24日午後に間違った基準を適用して検査していたことが分かったため、過去のデータを点検したという。
豊田本部長は25日の会見で「ヒューマンエラーを防ぎ、組織としてエラーを防ぐシステムを考えなければいけない」と苦渋の表情を浮かべた。【久野華代】