対テロ資料流出:警視庁、容疑者不詳で書類送検へ

毎日新聞 2013年09月26日 07時00分(最終更新 09月26日 07時54分)

 警視庁が作成したとみられる国際テロ対策に関する資料が2010年10月にインターネット上に流出した事件で、偽計業務妨害容疑で捜査していた警視庁は、容疑者不詳で書類送検する方向で検討を始めた。今年10月下旬に迫った公訴時効(3年)の期日までに進展する見通しは立っておらず、容疑者の特定を断念することになる。

 警視庁は、ネット上に資料が流出した翌日の10年10月29日に外部からの通報で事実を確認した。ウイルス感染などによる事故が原因ではなく、意図的に漏えいが実行された疑いが強いと判断。10年11月に横浜市で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の警備活動を妨害するのが狙いだったとみて、偽計業務妨害容疑で捜査していた。

 流出した資料はいずれも04年3月以降に作成されたものとみられている。流出に関与した者が内部にいる疑いがあることから、警視庁はこの時期に同庁公安部に在籍した職員ら約400人から事情聴取し、個人所有のパソコンも解析した。流出経路を割り出すために情報提供を要請した国は約50カ国に上る。しかし、発信元を特定されないようにするための匿名化ソフトが利用されていたことなどが壁となり、捜査は難航していた。

 事件を巡っては、流出によって個人情報をさらされたイスラム教徒が、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で東京地検に告訴。地検は今年8月、容疑者不詳で不起訴(容疑不十分)としている。【岸達也】

 【ことば】国際テロ対策資料流出事件

 2010年10月28日、警視庁公安部外事3課などが作成したとみられる資料114件が、外国のサーバーを経由してウィニーのネットワーク上に公開された。資料には、国内在住のイスラム教徒の行動記録や聴取結果、個人情報などが含まれていた。同庁は同年12月に「警察職員が取り扱った蓋然(がいぜん)性が高い情報が含まれる」と公表、警察の内部文書であることを事実上認めた。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

毎日スポニチTAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

週刊エコノミスト

週刊エコノミスト

毎日プレミアムモール(通販)

毎日プレミアムモール(通販)

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

環境の毎日

環境の毎日

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

日報連

日報連