京都・八幡の車暴走:直前ドリフト走行か 危険運転致傷容疑も視野
毎日新聞 2013年09月25日 東京朝刊
京都府八幡市で市立八幡小の集団登校の列に乗用車が突っ込んだ事故で、自動車運転過失傷害容疑で現行犯逮捕された少年(18)が運転する乗用車が府道交差点で左折した際、車を猛スピードで横滑りさせる「ドリフト走行」をしていた可能性が高いことが捜査関係者への取材で分かった。車は児童らの頭上を約12メートルにわたって飛んでいたことも判明。府警は、猛スピードで走行し、曲がりきれずに事故を起こしたとみて危険運転致傷(制御困難な高速度)容疑も視野に調べる。
捜査関係者によると、タイヤ痕が交差点内のセンターライン付近に2カ所(いずれも70〜80センチ)、反対車線に1カ所(約15センチ)残っていた。猛スピードで車体の向きを急激に変えるドリフト走行の痕跡とみられるという。府警は、少年が故意にドリフト走行をしたかどうかを含め捜査する。
車は左折後、制御を失ったとみられ、府道北側のガードレールに接触した後、南側の歩道に突っ込んだ。歩道北側の鉄製柵(高さ約1メートル)に乗り上げて空中に飛び、児童の列や歩道南側の高さ約70センチのガードレールを越えて約12メートル先の民家の畑に着地した。車は列の先頭付近にいた児童の頭上を通過。児童らはしゃがんだり、転んだりしたが、重体の小学1年男児(6)は頭に車のタイヤなどがぶつかったらしい。
府警によると、少年は逮捕直後「交差点前で一時停止した」と供述したが、その後は「速度を落として進入した」などとあいまいな説明をしている。
少年の両親が24日夜、毎日新聞などの取材に応じ、「昨年の亀岡暴走事故の後『車に乗るなら覚悟を持て』と教えたが、申し訳ない」と謝罪した。父親(49)によると、少年は車好きで、昨年11月の運転免許取得と前後して、事故を起こしたスポーツカーを中古で約125万円で購入。マフラーやタイヤなどを改造したとみられる。【堀智行、村田拓也、土本匡孝】