【元フジテレビアナ・長谷川豊「すべてお話ししますがなにか？」（連載２）】

長谷川に１分間のフリートークを提示した西山アナ

　西山喜久恵アナウンサー（４４）との握手をお菓子に例えて、１分間のフリートークって…。

　１９９８年に行われたフジテレビアナウンサーの採用２次試験、カメラテストで出された実際の問題です。

「握手した感触が柔らかかったからマシュマロ。でも、それだと語彙力がない」

　瞬時に考えた僕は、こうフリートークします。

「ホームパイのような握手でした。おいしくてサクサクで、家庭それぞれで味は違うけど、食べるとホッとするような、安心感を与えるような…」

　僕が感じた西山喜久恵という人間的な魅力、温かさを表現したかったんです。家庭的→ホームメード→ホームパイと。デキは６０～７０点くらいかな。それでも、無事突破しました。

　この問題では“言葉の瞬発力”が試されたようです。お題に対し、答えに窮せず、いかに瞬時に反応できるかを見たようでした。

　２次試験を通過した受験生には「せっかくだから現役アナのセミナーを２日間やりましょう。採用試験ではありません」と局側から連絡が来ました。このセミナーまで来られたのは、２次試験を突破した男女合わせておよそ３０人の学生。

　ただ、やっぱりこのセミナーは採用試験だったんです。受験生が、講師を務めたアナウンサーとどう対応したか、他の受験生とどう雑談したか、昼休み休憩中にどういう振る舞いをしているかなど、ひそかにチェックしていたそうです。

　怖いですよね。一般企業では考えられない試験だと思います。