名古屋グランパスの新人DF牟田雄祐(23)が次節の川崎戦(28日・瑞穂陸)で、3試合連続でスタメン起用される見通しとなった。DF闘莉王の故障からの復帰で控えに戻る可能性もあったが、25日の練習で闘莉王とともに主力組に入った。牟田が出場した4試合の成績は1分3敗と勝ち星がなく、「次は勝ちたい」と“5度目の正直”を誓っている。
ここにきて牟田の評価がうなぎ上りだ。実戦形式の練習で闘莉王の相棒にストイコビッチ監督が指名したのは、不動のセンターバック増川ではなく、快足DFのダニエルでもない。川崎戦では黄金ルーキーと闘将の強力タッグが実現しそうだ。
牟田が今季出場した4試合、チームの成績は散々だ。開幕戦の磐田戦こそ引き分けだったが、途中出場した5月25日のC大阪戦で敗れると、9月14、21日の清水、FC東京戦でも連敗した。
牟田の責任というよりも、チームの不調と出場時期が重なっている格好。先輩のMF小川は「牟田は頑張っている。勝てないのは彼のせいじゃない」とかばうが、当の牟田は勝ち星なしを相当意識している。
「やっぱり勝ちたい。チームのためにも、自分自身のためにも。出るからには勝たないといけない」
最終ラインでの守りは安定感を増している。牟田は「(最近先発した)2試合でもっとこうしたらというところが出てきた。攻撃面で勇気を持ってプレーしたい」と、攻撃への貢献度アップを課題に挙げる。練習では積極的にロングパスを試みる。攻守兼備のDFへ脱皮しようと懸命だ。
リーグトップの18得点をマークし、川崎戦で対峙(たいじ)するFW大久保については、「そこを抑えれば自信になる」と強気に話した。守りで相手エースを封じ、攻めでもチャンスもつくる。牟田にとっての初勝利は、その先にある。 (木村尚公)
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