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九州近代歌謡遺聞  九州にゆかりの作詞家、作曲家の足跡を追う

昭和流行歌編<176>松平 晃 予言通りの作曲家

2013年09月25日(最終更新 2013年09月25日 11時23分)
名曲を残した福田和禾子

名曲を残した福田和禾子

 松平晃が音楽の道を託した一人娘の福田和禾子は東京芸術大学の作曲科を卒業した。結果的には松平の遺言代わりになった「女性の作曲家は少ないから歌うより作る側に回れ」はまさに、予言だった。

 和禾子は東京芸大を卒業後、松平のライバルであり、親友だった藤山一郎の専属ピアニストとして活動したほか、NHK教育テレビの子供向け番組「おかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」「みんなのうた」などの音楽を担当した。作曲数は千曲を超える。

 和禾子の一人息子で眼科医の福田匠(36)は「一番好きな曲は『北風小僧の寒太郎』です」と言う。

 〈きたかぜこぞうの かんたろう ことしも まちまでやってきた

ヒューン ヒューン

ヒュルルンルンルンルン

ふゆでござんす ヒュルルルルルルン〉

 この歌は1974年に「みんなのうた」で放送された。堺正章が歌ったが、その後の北島三郎バージョンも人気だった。

 テレビドラマの「木枯し紋次郎」ブームを背景に制作された。和禾子は「子どもの歌にも演歌があってもいいのではないか」との曲想を語っている。また、次のようなほほえましいエピソードも回想している。

 この歌には間奏の部分で子どものクシャミが入っている。このクシャミは1歳になった息子の匠だ。

 「息子で音撮りした。コショウを吹いたら一発で(クシャミが出て)OKがでた」

   ×    ×

 和禾子は「北風小僧の寒太郎」のほかにも「ジャングルポケット」「赤鬼と青鬼のタンゴ」「バナナのおやこ」「ありがとう・さようなら」など子どもたちに愛唱された名曲を作曲、編曲している。どれも今でも歌い継がれている。

 「作曲がこんなに楽しい仕事だとは思わなかった」

 松平は流行歌の歌手、和禾子は子どもの歌の作曲家。音楽の道といっても一緒ではない。ただ、一般大衆に愛される歌という点では同じだ。親子の血である。

 和禾子は2008年、66歳で死去した。子ども向けのコンサートの録音をした直後に倒れた。親子とも死の間際まで音楽に向かい合った。

 松平が住んだ東京都目黒区の自宅は幸いにも戦時中の空襲に遭わなかった。松平は資料に関しての整理はこまめな男で、レコード、写真、記事のスクラップなどはそのままの形で遺族の元で保存されている。

 戦前の流行歌手の松平晃。戦後の子どもの歌の福田和禾子。福田匠は二人の足跡について少しずつ整理している。構想もある。

 「将来は自宅の一室を開放して記念館を作りたい」

 =敬称略

 (田代俊一郎)


=2013/09/24付 西日本新聞夕刊=

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