らいくあらーめん

　タイミング良く下の子が始発に乗ってディズニーランドへ行くというので、徹夜で起きていて駅まで送ってきて。
　飛行機への時間にはかなり余裕があったけど、このまま家でウロウロしていても仕方ないので、家を出ました。

　乗り換えの海老名で、営業していたら立ち寄ろうかと覗いたら営業していたので。
　吉野家海老名店にてロース豚丼480円のところ、モバイル会員割引で380円。

　肉自体は美味しいのですが、汁のある煮込み牛肉に合わせてあるご飯が焼きロース肉に合いません。
　気が付いていないことはないと思うけど。

　羽田からスカイマークで福岡空港へ。
　早めの予約で片道11800円は大阪への新幹線代より安い。
　たったの110分のフライト、自宅から空港までの時間より短いじゃないですか。
　15分遅れましたが無事に出発、最初から最後までぐっすりと寝ていました。

　福岡空港へ着いて、空港に直結している福岡市地下鉄空港線に乗ります。
　路線の感じから福岡の最大繁華街は博多ではなく中州か天神なのでしょう、250円払って天神まで。
　切符を買わなくてもPASMOが使えるから便利と言えば便利だけど、買った方が「天神にいく」感がありますね。

　福岡市地下鉄空港線天神駅で降り、地下街を抜けて地上へ、日差しが強くてまだまだ夏という感じ。
　歩くこと数分で到着、っと思ったけど雑誌などで見る店先と違うなぁとようく見ると西通り店でした。
　通りもう一本奥へ進み、博多一風堂総本店＠福岡県福岡市中央区、一風堂を初めて食べたときに「いつか本店へ」と思ってから既に7年が経っていました。

　店先には待ち合い席が用意され、その席にも座りきれないほど6人ものお客さんが待っています。
　一風堂はどの店に行っても混んでいるなぁと待つこと5分、店内は奥に長い造りで厨房に面したカウンターが8席、厨房を背にしたカウンターが6席、奥に4人掛けテーブルが2卓、内装があまりにも綺麗なので何度か改装されたのではないでしょうか。

　メニューを見てみると特に本店だからと言う商品が見当たらず、それならば普段食べないメニューを選んでやろうと。
　オーダーすると麺の茹で加減を聞かれたので普通でお願いし、今度はテーブルに目をやるとニンニク片、紅生姜はあるけど辛しモヤシが用意されていません。
　他にも本店ならでは調味料は見当たらず、店を仕切ってる年配の女性店員さんの元気の良い声を聞きながらラーメンの出来上がりを待ちます。

　10分ほどしてワンタン麺（白）900円、ちなみに（赤）は1000円、他支店と同じ丼だと思うけど、どっしりと落ち着いた麺相。
　スープからは都内の一風堂では感じたことのない豚骨臭さを感じ、レンゲを押し返すような粘度、口に含んでみるとザラザラしています。
　博多でラーメンを食べたのは初めてなので、この程度の臭さと粘度がこちらでは「標準」なのか「一風堂ならでは」なのか、分からないけど。
　美味しいか美味しくないかと聞かれたら美味しい、このスープを都内で提供するのは勇気が要るかも知れないけど、別メニューでいいから用意してもらいたいものです。

　細麺はやや固めで、この地ではこの固さが「普通」なのでしょう、スープによく合っています。
　トッピングは味がしっかりして柔らかいチャーシュー、半身味玉、細切りキクラゲ、青ネギ、そしてワンタン。
　ワンタンは大ぶりで餡ではなく皮を楽しむタイプ、皮は厚めでつるんと食べられます。
　トンコツラーメンにワンタンをトッピングしたのは初めてですが、これが実に旨い、こんなに美味しいのに都内のトンコツラーメンでは何故トッピングされていないのか。

　麺を食べスープを飲み、ワンタンを食べスープを飲み、途中からニンニクをつぶし入れ、紅生姜を乗せて。
　気が付いたらスープが少ししか残っていないので、丼を持ち上げて飲み干してしまいました。
　ふう、美味しかった、ご馳走様でした。
　レジでお会計したときに総本店のスタンプの入ったスタンプカードをいただきました。
　今回こそはと思いつつ集められないスタンプ、今度こそは丼を目指すぞ。

　帰りも福岡空港からなので、いったん博多を離れます。
　鹿児島本線快速にて小倉へ、乗り換え無しで行かれるとは言え快速でも一時間以上の距離、車中ではぐっすりと寝てしまいました。

　小倉駅に着いたらモノレール、目的のお店には歩いて行かれなくもないけど、その地のモノレール、路面電車には出来るだけ乗ってみたい。
　北九州都市モノレール小倉線香春口三萩野駅（かわらぐちみはぎの）で降りて、南東の方角に歩くこと25分。

　無法松＠福岡県北九州市小倉北区、小倉で一、二を争う有名店です。
　店先が駐車場になっているので歩きの私には少しクールダウンしてから店内へ、右手にゆったりと広がっています。

　厨房に面したカウンターが8席、駐車場側には広めのテーブル席が2卓用意されていて、6人ずつ座れそうです。
　卓上のメニューを眺めていると、女性店員さんがオーダーを取りに来たので屋号を冠した全部乗せのメニューをお願いすると「辛み餡が乗せられていますが大丈夫ですか」と聞かれたので大丈夫ですと答えました。

　麺の茹で加減を聞かれたので「固めで」と答えると、「カタ麺ですね」と復唱され、どうやら本場九州では「かためん」と呼称するようですね。
　平日の15時過ぎですが先客あり、その後も途切れることなくお客さんが入ってきます。

　程なくして無法松ラーメン740円、すっきりと落ち着いた幅広い客層に受ける麺相ですね。
　全部乗せでも豚骨スープの匂いが漂ってきて、スープを飲んでみると豚骨出汁の良いところを持ち上げ、悪いところをなだめるために魚介類などのダシを合わせてあるようです（あくまでも個人的な感想であり、お店に確認を取ったわけではありません）。
　胸倉をグイと掴む味わいではなく、そっと肩を抱き寄せる味わいのスープは極細麺にもぴったり合っていて、とても美味しいです。

　全部乗せと言うこともあって2種類のチャーシューに加えてほぐしも乗せてあり、ネギは薬味の青ネギと食感の白髪ネギが乗せられています。
　細切りキクラゲ、辛味ダレはぴりりとする程度ですが、驚いたのはワンタンの皮だけと言うトッピング。

　まあ、ワンタンは幅広い麺というとらえ方も出来るので、スープを良く吸い上げるワンタンを作れば啜るのでは違ったスープの楽しみか方できるわけで。
　途中から辛子高菜と紅生姜を入れて美味しく頂き、ご馳走様でした。

　次のお店は中休み無しの通し営業なので慌てて行く必要なないのですが、歩く以外に行き方が無く、ゆっくりと歩いていると途中でファミレス発見。
　ちょっと割高だけどドリンクバー単品で２時間ほど過ごしました。
　地方への食べ歩きを始めた頃は時間の限りにラーメンを食べ歩きましたが、もう50歳を過ぎての無理は出来ません。

　ファミレスから15分ほど歩いて魁龍小倉本店＠福岡県北九州市小倉北区、先に降りた香春口三萩野駅の隣の片野駅が最寄り駅になります。
　広い店内は先客二人とかなりゆったりしていますが、有名店特有の緊張感が漂っています。
　有名店とはお店が混んでいるときには緩和して余裕をもって対応し、空いているとき気を抜かずにお客さんを迎える準備をしています。

　私ごときがどうこういう話ではありませんが、魁龍でも当たり前にできています。
　店内は中央に5席を相対したテーブル席、壁側にカウンター7席、小上がりとして4人掛けが4卓とそのまま居酒屋に使えそうな構成です。

　時間帯が時間帯ですけど先客2人、空いているカウンター席に座ってメニューを見て、一番大きく書かれていた屋号を冠したメニューをオーダーしました。
　スタンダードが640円から始まってトッピングバラエティのみですが、チャーシューワンタンメンはジャスト1000円です。
　卓上を見てみると紅生姜にニンニク片、白胡麻、食塩は何に使うのかなと思ったらゆで玉子が1個60円で置かれていました。

　数分で魁龍ラーメン790円、おお、その昔に新横浜ラーメン博物館で食べた時のとそっくりの麺相じゃないですか。
　スープが骨色、骨色ってどんな色だよと聞かれたら「魁龍のスープの色」と答えるようにしている。
　味は美味しいんだから美味しくないんだか分かりにくい美味しい豚骨出汁、濃度、粘度ともそれほどでもないけど喉を通りにくい通りにくい。

　毎日食べていたら骨太になれそうなほどで、少し柔らかめの麺がとても美味しいじゃないですか。
　正直、麺オフの「トンコツスープ」ってメニューがあってもいいんじゃないか。
　トッピングはバラ肉チャーシューが4枚、ワンタン2個、メンマ、薬味ネギ、海苔は完全にスープ没していますな。
　ここでのワンタンは餡重視仕立てですけど、スープの味に勝ち負けと喧嘩せずに乗っかっている感じ、とてもいい感じです。

　旨い旨いと食べていたら食べ終わってしまいそうでしたので、賢明に箸を止め、つぶしたニンニクと紅生姜を入れて味変を楽しみます。
　ニンニクも紅生姜もトンコツスープにすっかり飲み込まれてしまって味変できず、むう、こういうこともあるのか。
　スルッと食べてしまってご馳走様、ああ、美味しかった。

　夕陽を背に真っ直ぐ片野駅へ向かい、小倉駅までモノレール。
　若い頃はお腹が空くのを待ってもう2、3軒行くか飲みに行ったものだけど、今はもう無理。

　道に迷いながらホテルへ向かいつつ、途中で中秋の名月を撮ったりして。
　明日は始発なので早めに就寝、就寝の前に一本飲みましたけどね。