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つけ火して、煙り喜ぶ、朝日新聞

WiLLプレミアム 9月25日(水)18時17分配信 (有料記事)

麻生氏の真意

麻生発言で「熱狂」
 かつて朝日新聞が輝いていた時期があった。同紙の論説委員を務め、のちに産経新聞専務取締役となった土屋清は、人間に人格があるように新聞社には「社格」または「聞格」があると書いた。
 社格とは、その新聞が社会の公器としての自らの存在をどこまで自覚し、公器たるに足る報道をなし得るかによって育まれるものであることを土屋は説いている。
 往年の朝日新聞のあの輝きはどこに消えてしまったのか。どうして三流ジャーナリズムのような手口を得手とするようになったのか。麻生太郎副総理の発言を朝日新聞が報じる手口を眼前にしての、これが私自身の率直な感想である。
 八月一日と二日、朝日の紙面は後述する麻生発言で「熱狂」した。日によって一面の「天声人語」、社会面、社説を動員し、まさに全社あげてといってよい形で批判を展開した。
 麻生氏は発言を撤回したが、それでも朝日は全面的攻撃を続けた。
 討論会の主催者兼司会者として現場に居合わせた者として、その日のことを振り返ってみたい。私の実感からすれば、後述するように、朝日の報道は麻生発言の意味を物の見事に反転させたと言わざるを得ない。
 七月二十九日、私が理事長を務める国家基本問題研究所(国基研)は、「日本再建への道」と題した月例研究会を主催した。衆議院、都議会、参議院の三大選挙で圧勝し、完勝した安倍自民党は、日本周辺で急速に高まる危機を如何にして乗り越え得るのか、日本再建を成し得るのかを問う討論会だった。
 日本再建は、憲法改正なしにはあり得ない。したがって主題は当然、憲法改正だった。月例研究会に麻生副総理の出席を得たことで改正に向けた活発な議論を期待したのは、大勝した自民党は党是の憲法改正を着実に進めるだろうと考えたからだ。
 だが蓋を開けてみれば、麻生氏と私および国基研の間には少なからぬ考え方の開きがあった。氏はセミナー開始十五分前に控え室に到着し、そこでまず冗談のように、「自分はこの頃、左翼と言われる」と語ったのだ。私はこの発言を、憲法改正を主張してきた私および国基研に対する微妙な牽制球と受け止めた。
 控え室からセミナー会場に移動したその僅か一分足らずの間にも、氏は国基研副理事長の高池勝彦氏に話しかけ、「俺は左翼なんだよ」と語っている。
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櫻井よしこ

最終更新:9月25日(水)18時17分

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