【モスクワ=石川陽平】ロシアが北極圏への関与を急速に強めている。プーチン大統領は25日、北極圏の環境保全策を拡充する方針を表明。北東部の北極圏の島では近く、軍用飛行場を再開する。北極圏では地球温暖化に伴い天然資源や新たな航路の開発が加速する見通しで、自然保護と軍事の両面で存在感を高め、利権を守る狙いだ。
プーチン大統領は25日、北部サレハルドで開かれた北極に関する国際会議「北極―対話の領域」で演説し、「北極開発の優先課題と重要な原則は自然保護であるべきだ」と指摘。経済活動と環境保全を両立させる考えを強調した。
北極圏の自然保護の具体策として、プーチン大統領は約32万平方キロメートル(北極圏ロシア領の約6%)ある北極圏の自然保護区を数倍に広げる方針を表明。政府予算から汚染対策としてすでに14億ルーブル(約45億円)を拠出したと述べ、希少動物の保護も呼びかけた。
これに先立ち、プーチン大統領は9月16日の国防省会議で、北東部のノボシビルスク諸島にあるテムプ飛行場の利用を再開することを指示した。ソ連崩壊後の1993年に軍が撤退していたが、「北極圏のこの地域の効率的で安全な管理」のため、10月から軍用機が発着できるよう整備を急いでいる。
ロシアが北極圏の関与を強める背景には、地球温暖化の影響で北極海の氷が急速に溶け、大陸棚に眠る豊富な石油と天然ガスの開発や、北東アジアと欧州を結ぶ北極海航路の利用が加速し始めたことがある。いずれもロシア経済の将来を左右する重要な事業で、利権と安全性の確保が急務だ。
北極海の氷が溶けていけば、米国やカナダに近いロシア北部の防衛が難しくなるとの懸念もある。北極圏の天然資源や北極海航路には、中国など圏外の国々も関心を示す。ロシア北方艦隊は9月中旬「ロシア固有の領土である」(軍高官)と誇示するため、ノボシビルスク諸島にミサイル巡洋艦など軍艦艇を送った。
プーチン、ロシア
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