三菱重工業は25日、東京電力福島第1原子力発電所の廃炉作業を担うロボットの受注生産を始めたと発表した。千葉工業大学が開発したロボットで、水陸両用のため原発の建屋内にたまった汚染水の中でも走行できる。東電など電力会社への販売を計画している。
生産を始めるロボットは「櫻弐號(さくらにごう)」。全長72センチメートル、横幅51センチメートル、高さは18センチメートル。車輪部や本体下部にある6本のベルトで走行する。階段の上り下りのほか、がれきを乗り越えられる。
無線で遠隔操作し、防水仕様で水深1メートルなら水中でも動く。長さ約1.8メートルのアームで高い場所の点検作業のほか、ドアを開閉したり最大60キログラムの物を運んだりできる。千葉工大はこれまで福島第1原発に投入したロボット「クインス」を改良した。
三菱重工によると、生産にかかる時間は約5カ月で、価格は「原発で使う他社製のロボットと競争できる価格にしたい」としている。12月から千葉工大東京スカイツリータウンキャンパス(東京・墨田)で一般公開する。
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