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いじめ認定し担任の責任も指摘
9月25日 20時26分

愛知県一宮市の市立中学校に通っていた23歳の女性が、在学中、同級生からいじめを受けていたのに、学校側が適切な対応をとらなかったとして市に賠償を求めた裁判で、名古屋地方裁判所一宮支部は、いじめがあったと認めたうえで、担任の教諭がいじめをやめさせる配慮を怠ったと指摘しました。

この裁判は、愛知県一宮市の市立中学校に通っていた23歳の女性が、在学中の平成16年までの3年間に複数の同級生から悪口を言われるなどのいじめを受けていたのに学校側が適切な対応をとらなかったとして、市に対して慰謝料など600万円余りを求めたものです。
市側は「いじめの事実はなかった」と主張していました。
25日の判決で、名古屋地方裁判所一宮支部の倉田慎也裁判長は、女性の証言のほか、いじめの内容が書かれた当時のメモなどをもとに「女性が複数の生徒から『うざい』とか『きもい』などと言われていた」として、いじめがあったと認めました。
そのうえで「1年生のときの担任は女性の母親からメモを見せられていたのに、加害生徒らの弁解を安易に受け入れ、いじめがないことを前提とした指導に終始し、原告や母親にもいじめはないと伝え、申告を結果的に封じ込めてしまった」として、担任がいじめをやめさせる配慮を怠ったと指摘しました。
市に対する慰謝料などの請求については、生徒7人とおととし11月までに和解し、和解金を受け取っているとして退けました。

生きていれば何とかなる

原告の女性は「これまで被害妄想だなどと言われてきましたが、判決でいじめの事実が認められてうれしいです。
先生たちの考え方を変えなければ私のような扱いを受ける子は無くならないと思います。
もし今、いじめられて苦しんでいる子がいれば生きていれば何とかなるのでどうか死なないでください」というコメントを出しました。

市教委 「非常に残念」

判決のあと、一宮市教育委員会学校教育課の石原幹雄課長が弁護士らとともに記者会見し、「判決は、慰謝料などの請求を棄却したことは評価できるが、明確な証拠がないのにいじめを認めているほか、学校側がいじめをやめさせるよう、配慮しなかったとしている点で非常に厳しいもので残念だ」と述べました。
そして、控訴については、原告の請求が棄却されているので市側としてすることができないとしました。
一方、いじめ対策については「今まで以上にさまざまな点に気をつけながら取り組んでいきたい」と述べました。

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