宮城県多賀城市立図書館の移転計画で、企画・設計を担うカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、東京)と協議した内容を記載した書面を、市教委が「誤解を与える恐れがある」と公文書から外していたことが24日、分かった。
市教委職員と図書館長らは7月、CCCが運営する佐賀県武雄市図書館を視察し、初日に武雄市職員と、2日目に同市に事務所があるCCCスタッフと協議した。
8月の市議会文教厚生常任委員会で、市教委は初日のやりとりをまとめた復命書を公開。議員が2日目分の提出を求めると「図書館を案内されただけ」と答えていた。
全議員に先週、通し番号が付いた2日分、計28ページの文書が匿名で郵送され、2日目にCCCと閉架書庫や司書の勤務体制について質疑応答していたことが判明した。
市教委は「CCCの勇み足のような資料もあり、独り歩きすると問題があった」と弁明。2日目の分はメモと判断して復命書から外したという。
議員の一人は「図書館の企画・設計と、指定管理者の選定は別と言いながら、実態はCCCありきだ」と批判する。
市立図書館は2015年夏にJR仙石線多賀城駅前に移転予定で、運営の委託先は年内にも市教委が決定する。