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日本の美・発見[ 仙高ニ禅の世界 特集展示:一休ゆかりの床菜菴コレクション

開催期間
2013年9月21日(土)〜 11月4日(月・休)

みどころ

仙高ニ出逢う、禅と出逢う

江戸時代、九州・博多にある日本最古の聖福寺(しょうふくじ)の住職として活躍し、ユーモアあふれる禅画を数多く遺した仙香B実は、同じ臨済宗の中興の祖として讃えられる白隠と、「東の白隠、西の仙香vと併称されるほどの高僧でした。禅画の双璧と言われる両者ですが、現在、臨済宗の禅僧の系譜に名が残るのは白隠のみ。本展は、いまだ知られざる仙高ニ出逢う絶好の機会となることでしょう。日本最大のコレクションをほこる出光美術館の所蔵代表作と遺愛の品々、あわせて約90件による本格的な回顧展をどうぞお楽しみください。

展覧会の構成

  1. 1 禅僧仙高フ生涯 ―仙漉ェ伝
  2. 2 仙鵠ナ「禅機図・祖師図・仏画」集成 ―仙高ニ禅の世界
  3. 3 仙国T画にあらわされた教訓
  4. 4 斉藤秋圃筆「涅槃図」
  5. 仙壕竏、の品々
  6. 特集展示:一休ゆかりの床菜菴コレクションと仙

各章の解説

1 禅僧仙高フ生涯 ―仙漉ェ伝

仙香iせんがい 1750〜1837)は美濃(現・岐阜県)で生まれました。地元の清泰寺(せいたいじ)、そして、武蔵(現・神奈川県)の東輝庵(とうきあん)において臨済宗古月派(りんざいしゅうこげつは)の禅僧として厳しい修行を積んだ後、九州、博多に下り、日本最古の禅寺、聖福寺(しょうふくじ)第123世の住職として、老朽化した伽藍の修復や弟子の育成に活躍しました。還暦を過ぎた仙高ヘ後を弟子の湛元(たんげん ?〜1855)に譲って境内の虚白院(きょはくいん)に隠居し、得意の禅画を通して庶民に禅の教えをひろめることに努力しました。気さくで正義感の強い性格から多くの人に愛され、今でも「博多の仙高ウん」と慕われています。

自画像画賛 仙香@江戸時代 出光美術館蔵

2 仙鵠ナ「禅機図・祖師図・仏画」集成 ―仙高ニ禅の世界

南泉斬猫画賛 仙
江戸時代 出光美術館蔵

仙高ェ残した仏画は禅に対する仙高フ理解を非常によくあらわしています。特に、禅に関連した数多くの画題の中から後進の指導のために仙克ゥ身が選択して描いた禅機図(ぜんきず)には、仙高フ禅に対する考え方が色濃く反映されており、仙高フ禅理解を解き明かす重要なカギとなります。しかも、その賛をよく読んでみると仙酷ニ自の賛嘆や、逆にかなり辛辣なコメントが添えられていることもあり、同様の画賛と一風異なった、仙酷ニ自の内容を持った仙鵠ナの禅機図となっていることも特徴としてあげられます。また、釈迦や達磨のほか、阿弥陀や観音なども含んだ仏画には仙高フ慈悲の心と衆生救済への強い思い、宗教観を読み取ることが出来ます。

3 仙国T画にあらわされた教訓

虚白院に移った仙高フもとには、大人たちは相談事で立ち寄り、子供たちは遊びにと、隠居所は多くの人々が集う、さながら博多っ子の憩いの場といったありさまでした。しかも、訪ねた人々はかならず、仙高ェ得意とする書画を求めたようです。仙高煖C前よく描き与えたようで、その積み重ねが膨大な禅画となって伝わっているのです。仙高ヘ「蕪」や「蛙」、「月」、「蘆」、「柳」、「さじ」など、眼にしたものは何でも描いたように見えますが、いずれにも禅の教えや教訓をこめて描いているのが特徴です。しかも、時にはかなり厳しい教えもありますが、必ずユーモアをまじえて優しく解き明かしているため、見る者の心を引きつけてやまないのです。仙酷Wになくてはならない仙国T画の名品選コーナーです。

坐禅蛙画賛 仙香@江戸時代 出光美術館蔵

4 斉藤秋圃筆「涅槃図」

涅槃図 斉藤秋圃筆 仙国シ賛
江戸時代 出光美術館蔵

88才で天寿を全うする仙高ナすが、笑いとユーモアたっぷりの最大の傑作の一つが生前に描かれた自らの「涅槃図(ねはんず)」でしょう。友人で画家の斉藤秋圃(さいとうしゅうほ 1769〜1861)の筆によるこの作品では、釈迦の涅槃図にならって樹林の中にしつらえられた寝台にこちらに背を向けた仙高ェ涅槃に入った姿が描かれています。そのまわりには仙高フ徳を慕って集まった博多の友人・知人たち、さらに画面下方には仙壕竏、の品々までもが悲嘆にくれている様子が描かれています。しかし、すべては仙壕、用の筆が見た一夜の夢。自らの死を題材にした博多の友人サークルの面々の楽しそうな鑑賞のありさまが想像されます。また、仙鵠モ年の絶筆碑建立や「老い」のテーマへの思いを示す作品も併せてご紹介します。

仙壕竏、の品々

仙高ヘ非常に多趣味な人物としても知られています。仙高ェ筑前(現・福岡県)の名所旧跡を好んで尋ね歩いたことや、抹茶と煎茶両方のお茶をたしなんだこと、さらに、珍奇な石や古美術品の蒐集をしたことなど、仙壕竏、の品々として伝わる作品の数々からは禅僧仙高フ趣味人としての側面が見えてきます。このコーナーでは、多様な趣味の結果として仙高フもとに集められた作品や仙高ェ書画をしたためるために用いた印や矢立など、仙壕竏、の作品をご紹介します。

もっとみどころ1

双鶴画賛 仙香@
江戸時代 出光美術館蔵

出光佐三も魅了した、仙高ゥらのメッセージ ―いつの時代にも新しい。仙高ェ伝えようとした教えや戒め

今、巷で話題の小説、『海賊とよばれた男』(百田尚樹著、講談社刊)のモデルは、出光興産創業者であり、当館の創設者でもある出光佐三です。佐三の美術品蒐集のスタートは、仙高フ「指月布袋画賛」でした。以降、佐三はユーモラスな表現の奥に隠された仙高フ教えの素晴らしさに心打たれ、自身の事業にもその精神を生かしてゆくようになります。それは、江戸時代の博多の人々が仙高フ禅画に魅了されていったのとまったく同じでした。仙高代表する作品を通して、厳しくも心温まる仙高フメッセージをわかりやすくご紹介します。

特集:一休ゆかりの床菜菴コレクションと仙

一休宗純像 曽我墨渓筆 一休宗純賛
享徳2年(1453) 出光美術館蔵

一休の生涯について記した『一休和尚年譜』によると、文明元〜10年(1469〜78)、応仁の乱の混乱を避けるため、奈良、堺をへて住吉(現・大阪府住吉区)に移った一休が開いた庵の一つに床菜菴(しょうさいあん)があります。大徳寺入寺を命じる書簡を携えた柔中(じゅうちゅう)和尚のために文明8年(1476)に建てた庵で、野菜畑に建てられたことからこの名がつけられました。その後、次第に荒廃していきましたが、明治初年ごろまでは門の跡や竹やぶが残っていました(現在では上住吉西公園内にわずかに石碑を残すだけとなっています)。この床菜菴ゆかりの伝承をもつ一休着賛の頂相(ちんぞう 祖師図)や書などの作品群を紹介します。また、一休と仙高ニいう二人の禅僧が注目した百丈(ひゃくじょう)禅師にちなんだ作品もご紹介します。

本展の基本情報


開館時間
午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
毎週金曜日は午後7時まで(入館は午後6時30分まで)

会期・開館時間等は都合により変更することがあります。最新情報は当ウェブサイトまたはハローダイヤル(03-5777-8600)でご確認ください。
休館日
毎週月曜日
※ただし9月23日、10月14日、11月4日は開館します。
入館料
一般1,000円/高・大生700円(団体20名以上 各200円引)
中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要です)
※障害者手帳をお持ちの方は200円引、その介護者1名は無料です
電話番号
ハローダイヤル
03-5777-8600(展覧会案内)

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