高畠高の女生徒自殺:損賠訴訟 両親と学校側、いじめ有無で見解対立−−口頭弁論 /山形
毎日新聞 2013年09月25日 地方版
高畠町の県立高畠高で2006年11月、2年生の渋谷美穂さん(当時16歳)が自殺したのは、学校がいじめを受けていた美穂さんへの安全配慮を怠ったからだとして、両親が県に損害賠償8920万円を求めた訴訟の口頭弁論が24日、山形地裁(石垣陽介裁判長)であった。いじめの有無を巡り、尋問での両親と当時の養護教諭の見解は対立した。
母親は、美穂さんが自殺する直前の様子を証言した。1週間前に「私、いじめられている」と話し、その数日後には「友達が私を避けるように帰った」「後ろの席の男子生徒から消しゴムのかすを投げられた」と打ち明けた。また「今のいじめは陰湿で長い」と述べた。
自殺当日も、登校をためらうそぶりを見せた。母親が学校まで車で送った際、「美穂が悪いわけじゃない。きっと変わるから」と声をかけたが、美穂さんは「変わるわけない」とドアを勢いよく閉めて車を降りた。母親は石垣裁判長に「現在も『いじめは無い』とする学校の態度を許せない」と訴えた。一方で養護教諭は、保健室を年数回訪れていた美穂さんの様子を証言。「家庭問題の相談を受けたことはあったが、いじめの話は聞いたことがない」と話した。