中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

「中学時代のいじめ」認定、請求は棄却 地裁一宮支部

2013年9月25日 13時27分

 愛知県一宮市の市立中学校で在学中にいじめを受け、学校の不適切な対応で精神的苦痛を被ったとして、女性会社員(23)が市に600万円余の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、名古屋地裁一宮支部であった。倉田慎也裁判長は請求を棄却したが「原告が複数の同級生からいじめを受けた」と認定。中学1年時の担任の注意義務違反、安全配慮義務違反も認めた。

 判決は、中学1年時の複数のいじめ行為について「原告に対して意図的に行われたもので、いじめと評価されなければならない」と認定した。市は、女性が統合失調症を発症したとの主張を根拠に「いじめは女性の被害妄想」と主張したが、判決では「統合失調症と認めるには足りない」と退けた。

 その上で、女性から直接、事情を聴かずにいじめの調査を打ち切った担任の対応を「加害生徒らの弁解を安易に受け入れ、いじめが存在しないことを前提とした指導に終始した」と指摘。不十分な対応で「原告に対するいじめを継続させてしまった」と批判した。

 また、原告の母親が担任にいじめを訴えた後もいじめが継続し、女性が大きな精神的苦痛を被ったと判断。損害額として142万円余を認めたが、既に同級生を相手に起こした同様の訴訟で和解し、222万円の支払いを受けた事実に触れ「損害は既に補填された」と結論づけた。

 学校がいじめを隠したり、担任が女性を中傷したりしたとの女性の主張については、担任が「余計なことはするな」と言った事実を認めたが、学校全体の責任や積極的な加害行為には言及しなかった。

 女性は2007年に提訴。判決によると、中学1年だった02〜03年、複数の同級生から「うざい、きもい」などと日常的に中傷された。精神的苦痛を受け、その影響で、手首を切る行為を繰り返すようになったほか、通院せざるを得なくなった。

(中日新聞)

 

この記事を印刷する

PR情報



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ